作・演出:鴻上尚史。鴻上さんは「虚構の劇団」では若手俳優を起用し、
そしてこのKOKAMI@networkでは舞台で演じるのが初めての
有名な俳優などを起用する。
どちらにも共通するのは新人を育てて舞台で舞台俳優として
演技ができるまでにしていくこと。
そこには鴻上さんの30年を超える舞台経験と演出経験が生かされている。
さらにはその経験を客観化してテキストとして出版された
何冊もの俳優修業のための本を書いたことにより、
俳優を育てる方法がより明確になっているのだろう。
そして、初めてという初々しさが鴻上尚史の劇世界に大きく通じるところでもある。
鴻上尚史さんの舞台を見ていつも思うのが「ああ!青春だな!」ということ。
還暦を迎える齢になってもまだ青春を描き続ける鴻上さん。
心の若さは年齢とは関係ないんだ!ということを実感させてくれる。
先日のNHKスペシャルで宮﨑駿の75歳の日常を追ったドキュメンタリーを見た。
宮﨑さん自身は「年取った」とか「そろそろと進んでいく」とかの表現を使って
カメラに向かってお話されているが、新しいものを見た時の眼光の鋭さや
面白そうなものを見たり扱ったりするときの好奇心の輝きには
ものすごいものがある。
そうしたものを若さとか青春というのなら、
宮﨑駿大先輩や鴻上尚史先輩はとても若々しい。
その鴻上さんが、舞台経験が初めてという山本涼介を主人公に戯曲を書いた。
山本涼介はものすごく背が高く、「メンズ・ノンノ」の専属モデルだけあって
顔が小さくそのバランスはまるでイラストで描かれたイケメンである。
ヒロインは南沢奈央。伊礼彼方、片桐仁が脇を固め、
第三舞台から一緒にやっている、大高洋夫と長野里美がそこに加わる。
この6人の舞台。
時は2030年くらいなのだろうか?近未来?
世界中で戦争が起きており、若い男性はほぼすべて戦場に駆り出されている。
昭和10年代後半の戦時下の大日本帝国のような雰囲気が
日本中を覆いつくしている。
日本のとある町に、戦争を終えて山本涼介が自宅に戻ってくる。
しかし彼は「僕は死んでいる」というのである。
山本は完全に成仏するために心残りだった映画を完成させたいと思い戻ってきたのだった。
ヒロインは同じ大学の映研サークルの同級生の南沢奈央。
南沢奈央はその撮影に協力し、ヒロインとして出演しながら
助監督と制作と衣装と小道具係を兼任する。
そして、この映画作りに山本涼介の家族も巻き込まれていく。
映画に対する愛が半端ない!
実は、ここに出てくる登場人物の多くが「サバイバーズ・ギルト」を抱えている。
生き残ってしまったことに罪の意識を持つものという意味らしい。
戦争で生き残ってしまった人の負い目を描いた傑作に
井上ひさし原作の「父と暮らせば」がある。
本作は広島の原爆投下で生き残ってしまった娘と幽霊になってきた
父親との交流を描いたものだった。
その「サバイバーズ・ギルト」を鴻上さんは罪の意識でなく「恥の意識」ではないだろうか?
と思い本作の題名に「&シェイム」とつけたしたらしい。
東日本大震災の津波から逃げて生き残った人たち、
彼らも自分だけが生き残ってしまったと心に大きな傷を抱えている。
5年経ってもその傷は簡単には消え去ることはないのだろう!
有名俳優を起用して、こうしたことを描く。
単なる楽しむだけの商業演劇にはしないぞ!という鴻上さんの矜持が見えるような舞台。
その矜持に新人俳優の山本涼介は応え、見ごたえのある舞台となった。
南沢奈央が逞しく、激しい。可愛いだけじゃない。
こうした女優さんはこれから、舞台でさらに活躍できるのでは!?
見終わってさわやかな気持ちになる。
こうした観劇体験の感覚を久しぶりに味わった気がした。
永遠の青春。
最後に個人的に心に残ったセリフを!
「人間が集団で行う一番みにくい行いは戦争、
そして人間が集団で行ういちばん美しい行為は映画作りです」(泣けてくる・・・。)
12月4日まで!


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