演劇ライターの徳永京子さんのツイッターが面白いと教えてくれたのが
演劇好きのTさん!時間がある時にたまに見るようになった。
そもそも、徳永さんの文章は朝日新聞などで何度も拝見しております。
その徳永さんがコトリ劇団のことについて書かれており、
何年前かのベスト2だった!などと書かれてあって気になっていた。
今回、朝の11時からの公演で午後からの仕事に間に合うということで
チケットを予約させていただき拝見することができた。
大阪の劇団だそうである。
調べると数年前に14回めの公演を行っており今回久しぶりの公演だという。
アフタートークで制作の若旦那家康(コトリ会議)さん(※出演もしている)が
作・演出の山本正典は、この数年、演劇活動をやめてしまおうか?と思っていたそうである。
若旦那は山本さんの稀有な才能をこのまま埋もれさせてしまうのはもったいないと感じ、
自ら制作を買って出て、この劇団の存続を図った。
まるで企業の再生請負人のようである。
元「京セラ」の会長だった稲盛和夫さんが日本航空の再生に乗り出し
数年で黒字化し株式市場に再上場を果たしたような!
アートの世界にもそうした人は絶対に必要!
先日「ピコ太郎」を自らプロデュースしている古坂大魔王と田原総一朗のスイッチインタビューを見たのだが、
そこでも、古坂大魔王の芸を見た立川談志師匠が彼らの芸を気に入って
お前たちは評価されないことにくさらないでこれをやり続けろ!
と応援してくれた話とどこかつながっていく。
そして古坂大魔王は昨年「ピコ太郎」で世界中の人に知られることとなった。
上演時間90分。竹藪が舞台である。そこに異星からやってきた宇宙船が不時着する。
宇宙人たちとその竹藪に集まる人たち。ここは富士山の樹海にも似た場所なのか?
自殺しようとして、また心中しようとして人々が集まってくる。
そこには「野おかあさん」が居て彼らを受け容れ再生しようとしている!
ここにも再生請け負い人がいた!魂の再生の物語なのだろうか?
会話はテンポよく今どきである。
オーディションで選ばれた俳優たちが魅力的。
まるでグリムの残酷童話を現代風にアレンジしたかのような感覚。
そして死のうと思ってここにやってきている人たちに向けてある種の普遍的なメッセージを残す。
死は避けられないものでありそれは生まれてくることと対をなす。
だから生も死もそのまま受け入れればいい!傷つけば「野おかあさん」みたいな人に再生してもらえばいい!
作・演出の山本正典の繊細な感覚が奇妙な笑いのある舞台として再生されていた。
次回作も是非見たい、続けてください。
シャンプーハットの赤堀さんも何度か辞めようかなと言いながら続けて素晴らしい仕事をされています。
12日まで。その後、新潟、仙台。
加代役の野村由貴がいい。