初めて子供のためのシェイクスピアカンパニーの公演を観たのは
4年前だったように記憶している。同じグローブ座で観劇。
このころはまだ、パナソニックグローブ座と呼ばれていた。
松下電器は業績の悪化に伴い、この劇場を手放し
現在はジャニーズ事務所が買い取り、運営している。
その後、松下電器の業績がV字回復する。
ことしはグループの社員全員に特別のボーナスとして一律5万円を
数万人規模に還元することとなった。時代の流れとは皮肉なものである。
そういえば先日、「皮肉」の語源を聞いた。
以下引用。
皮や肉は表面にあることから「本質を理解していない」といった非難の言葉であった。らしい。
ジャニーズ事務所のグローブ座になって見えにくかった柱もなくなり、
入り口も山手線側(東側)になっていた。
自宅が東西線沿線なので、高田馬場から歩く。
徒歩約10分。途中、有名なラーメン店「俺の空」の横を通過していく。
この日も若者たちがこのラーメン店に並んでいた。
当日券だったので3階席の一番後ろしか空いていなかった。
前売りは完売だったので、ま、仕方がない。
舞台が大きく張り出していて、一階席の人たちにはよかったのかも知れないが
身を乗り出して見ないと舞台が見切れることが多かった。
しかし、さすがこのカンパニーの演出は上手い。
随所に飽きさせない工夫が満載である。
特に子供たちにたいして、彼らが敏感に反応する音や動きの表現、
そしていつもの人形が喋るという手法。
山﨑清介の演出は統制がとれていて本当に飽きさせない。
ただ、個人的には「リチャード三世」の戯曲自体を
僕が好きなのかどうだかわからない。
ヨーロッパ中世のばら戦争の歴史絵巻。
数十年のリチャード三世の半生を2時間半で語ることなど出来るはずもない。
リチャード三世とその中の「悪者」をリチャード三世の左手である人形が演じている。
そこの部分が面白いアイデアになっていた。
また相変わらず「クラップ」での場面転換や
黒いロングコートと黒い帽子を着て黒子のようになったり、
また突然、黒いコートを脱いで、舞台衣装姿になり登場人物の役柄を演ずる
という手法は健在である。
隣の女の子(4歳くらいだろうか?)が闘いのシーンを見ていて本当に怖くなり、
「劇場を出たいよう!」といっていたのが印象的だった。
夏休みに、大人も大満足できる、
子供騙しでない舞台を、
見ることの出来る子供たちは本当に幸せものだよ!