国立近代美術館の受付の方に、この近くに
無料で若冲の展示をしているところがありますよ、と教えてもらった。
竹橋の坂を内堀沿いにプラプラと下っていく。
皇居の東御苑の中に一般人が入れることを知らなかった。
しかも入園券を受け取れば無料。
これほどまでに皇居の近くに来るのは初めてのことだった。
御苑内は広大。
東京のど真ん中にこんなに広大な庭園があったのかと驚く。
宮内庁の管理下におかれているだけあって、
全てのものが丁寧に整備され整えられている。
外国人旅行者の姿もたくさん見かけた。
苑内の中心に芝生が植えられた広い空き地がある。
新宿御苑にも似た感じ。しかし、ここは無料。
苑内にある建物は、どれもかなり時間が経っているが、
丁寧に手入れされ保存が行き届いている。
至る所で宮内庁の巡回パトカーと巡回自転車を見かける。
何となく、ものものしさを感じる。
新宿御苑やましてや、京都御所にはない感覚がここにある。
こうやって皇室の方々は宮内庁の職員さんたちの
視線の中で生きていくのだろう。
話が変わるが、先日、宇多田ヒカルがデビューした頃、
マスコミの視線が集中して、一人で何も出来ないしどこへもいけなくなったので
本当に困ったということを語っていた。
彼女が16歳の頃の話である。
皇室の方々は生まれたときからである。
本当に大変なことだと思う。
広大な敷地を平川門から庭園を抜け、大手門の近くまで歩くと、
肖蔵館が見えてくる。
たくさんの人たちが見に来ている。
特に、たくさんの学生たちが熱心にメモを取っている姿が見られた。
掛け軸を中心に展示。
伊藤若冲の名前は聞いたことはあったが、初めて目の当たりにした。
あまりの色彩の美しさにびっくりした。
パンフレットを読むと、この6年間に渡り修理を行なっていたらしい。
その成果を見ることが出来たのだろう。
色彩のくすみなど全くなく鮮やかな色が目に入ってくる。
鳥を初め水生動物や海に棲む生き物なども描かれている。
まるで錦織のように華やかでかつ写実的という両面を備えているところが凄いと思った。
両方の強いところだけを抽出できる若中の才能に感服する。
閉門は午後4時半。
大手門を出て、パレスホテルの脇を通過し、営団大手町駅の階段を下る。