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京都の大学の先生にこんなことを聞いたことがある。 東京の大学生との一番の違いは 学生が何かするとき終電を気にしなくて良いということ。 京都に住んでいると遠距離通学の割合が少なく、 下宿先には歩いて帰れるし市内各地でも自転車などで帰れる. なので京都の学生はいつまででも馬鹿話をしたり 議論したりすることが出来ると言う。 京都の人は学生さんを大切にする。 実際に住むとなると大変な場所なのかも知れないが、 異邦人といえる学生や外国人をはんなりと受け容れる独特の文化がある。 作・演出の上田誠が率いる「ヨーロッパ企画」は そんな京都の学生が演劇をやろうと20年前に立ち上げた劇団である。 それが20周年。20年前の1998年と言えばバブルの絶頂の時期。 そんな時期にバブルとは真逆の演劇活動を始め サークル活動をするようにワイワイと続けてきた。 時代は変わったが「ヨーロッパ企画」の面々は そんなことを気にするようでもなく淡々と 20年間が過ぎて行ったのだろう! いまや多くの人が、大学にいくようになった。 よって多くの人に学生生活の記憶がある。 ある種、人生で至福のモラトリアムな時期。 何をしても良く、何時に起きても寝てもいい。 そんな若い時の4年間なんて本当に貴重。 日本の大学、特に文系学部(?)は、海外の大学と違い宿題や課題が少なく、 昔は休講もしょっちゅうで、代返なども日常的に行われていた。 学校の周辺には講義ノートを売っているところがあり、 授業に出ていない者はそれを買って 一夜漬けで勉強し、試験に臨んだ。 何を学び何をしたのかはすべて自己責任であり 自治という名のものとに 何をしても許される空気がそこにはあった。 本作は、学生時代のあの頃のエッセンスが巧みに取り入れられた構造となっている。 「青春!」 鴻上尚史は60歳になられた今も「青春」を描き続けておられるが、 上田誠はそれが創作やノスタルジーなどではなく 今も学生じゃないか?というくらいのリアリティがある。 京都で活動するということには そうした感覚を受け容れ続ける器量があるのか? その感覚が、また今の時代にマッチして来ているのだろう。 本公演は熱狂的なファンが集まり、チケットは早々に完売。 当日券の補助席も出て劇場内は熱気に包まれていた。 リピーターも多いのだろう。 俳優たちのセリフに、どっかんどっかんと笑いが起きている。 日大芸術学部出身の三谷幸喜が旗揚げした「東京サンシャインボーイズ」のあの頃の雰囲気にも似ている。 上田誠の作品は、 本広克行監督が「サマータイムマシン・ブルース」や「曲がれスプーン」などの演劇作品を 映画化されているので見た方も多いのではないだろうか? 独特な笑いとともにある種のクールさが知的な雰囲気を醸し出す。 本作は上田誠がまさに学生時代に書いた「サマータイムマシン・ブルース」の続編とも言えるもの。 あれから15年後の2018年の8月(いわゆる現在)を中心に描かれる。 あの時から15歳年を取ったサークル「SF研」の仲間たちと 同じ部室を共有していた「カメラクラブ」の面々が同窓会的にまたこの部室に戻ってくる。 スマホを持ちスイッチなどのゲーム機が置かれてはいるが、 それ以外は、15年前の部室と何も変わっていない。 私たちが学校に求めることの一つに、 自分たちが学生だったあの頃のままであって欲しいというものがあるのではないか? 本作の設定は、まさにそれを地でいっている。 その部室には今も学生が居る。 カメラクラブには藤谷理子がF研には本多力が。 そして15年前の学生だった彼らと若者たちの前に、 あのタイムマシーンが現れる! そこからお話がいろんな展開をするのだが、 その荒唐無稽さが数十年前の三谷幸喜の喜劇のよう。 時間を自由に移動するので観客はそれを想像しながら見ることになる。 同じ場所にもしかしたら藤谷理子や本田力が 二人同時に存在するかもしれないということなどを想像しながら物語を追っていく。 さらにはタイムマシーンが増えたり、 タイムマシーンを使わないで数か月あるいは数年過ごすという新たな展開も。 上田が練りに練った脚本が深みを持ち、 私たちはその混乱についていくだけで楽しくなる。 演劇的な快感がここにある。 映像言語では出来ない、身体がそこにあるのだからという 演劇的な表現手法を活用した舞台となった。 話がとても込み入っており複数のエピソードが並行して描かれるので 、観客も頭をフル回転して舞台に向き合うこととなる。 なので、決して眠くなんかなるはずもなく 休憩入れての2時間40分余りがあっという間に過ぎ去っていく。 あの学生時代にあった感覚をいつまでも一緒に体験したいのに! と思いながら舞台は終了する。 構造が複雑なので再見や再再見にも耐えられる強度を持った戯曲でもある。 当日券が出ているようです。9月9日まで。 その後も大阪他、全国を巡回するようです。
by haruharuyama
| 2018-08-31 11:13
| 舞台
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