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観劇する日の前日。 朝日新聞の夕刊にこの舞台が取り上げられ、大笹吉雄さんが劇評を書かれていた。 かなり辛辣な感じで書かれていたので、どんなものだろう? と思って見たら、休憩10分入れての2時間半があっという間に終わっていた。 1948年(昭和23年)12月23日からこの舞台は始まる。 この日は今の天皇陛下の誕生の日。 そして1948年のこの日に東京裁判で裁かれたA級戦犯が処刑された日でもあったらしい。 この日、斎藤家の平(たいら)(亀田佳明)と名付けられた長男が生まれる。 この舞台はその平の80年に渡る人生の軌跡を描いたもの。 80年の人生が12月23日という日付の出来事を通して描かれる。 その構造が面白い。 大笹さんはその構造に無理があるんじゃないのかな?と書かれていたが、 戦後の日本の現代史をなぞっているようにも見えてとても興味深いものだった。 大体20年後をベースに時間が現在に近づいていく。 2幕目。1968年の斉藤平は大学生。 朝鮮戦争特需からの高度経済成長で、多くの日本人たちが幸福を感じるようになっていく。 平は自治会活動を大学で行っており学生運動にも興味を示す。 東大安田講堂の事件はその1か月後の1969年1月である。 平は暴力を行使しないで戦うという姿勢を生涯もちつづける。 「平和」の「平」と名付けられただけに名は体を表す。 名付け親はおじいちゃん。 自治会の仲間が斎藤家にやってくる。おにぎりを作って学生たちにおにぎりを食べさせるお母さん(塩田明子)。 学生の一人が体育会空手部の襲撃に遭い頭から血を流しており お母さんが彼のケガの手当てをする。 次のシーンは1988年バブル最盛期の日本。 平は自治会のマドンナ(大野香織)と出来ちゃった結婚をする。 40歳。二人の息子(池田倫太郎)は高校生。 進学校に入学したのだが不登校となり自宅の部屋にこもっている。 妻と息子をどうするか?で議論する平。 自分の価値観を押し付けようとする父親の平。 息子のことを想い、学校を辞める選択肢も彼のためにはいいのではないか?と考える妻と平の母親。 自分の学生時代に親父としょっちゅう口論をしていたことを思い出す。 学生時代の友人たちがやってくる。 一人は証券会社に入ってバブルを謳歌している。会社の経費は使い放題、タクシーは乗り放題らしい。 もう一人の友人は大学を中退してその後印刷会社で印刷工として働きながら 組合活動を行いそこのリーダーとして団体交渉などを会社側とするような活動をしている。 学生時代マドンナを好きだった証券マンの想いが伝わるような会話が交わされる。 そして2008年。平は60歳を迎える。還暦である。 リーマンショックがこの年の9月に起き、ここから日本はさらに衰退していく。 証券マンだった同級生が亡くなり、告別式の帰りに斎藤家に立ち寄る 印刷会社で働いていた同級生。 早期退職をして工事の警備のアルバイトなどをして 空いた時間で貧困家庭の子どもたちにちゃんとしたごはんを食べさせるボランティア活動をしている。 引きこもりだった息子も35歳になり介護の仕事を始めて数年が経つ。 そんな息子が、この日3歳年下の女性を家に連れてくる。 彼女は二人の子供を持つシングルマザー。とまどう母親と平…。 そして10年後。2018年の12月23日。 おじいちゃんの70歳の誕生日に息子夫婦と連れ子の二人が斎藤家にやってくる。 兄は浪人中、そして妹は高校生。 おじいちゃんに紫色のベストをプレゼントする息子夫婦とその子供たち。 おじいちゃんはこれからのこの家のことをどうするか? を息子夫婦に相談する。同居などの選択肢がそこから提示され それについてきちんと話し合う親子。 妻ともこれからどうしようか?と話し合う平おじいちゃん。 学生時代の夢だった海外への留学の代わりに 世界中を旅してまわろうと決めた妻と平。 その後10年かけて様々な場所に出かけていく老夫婦。 そして最後に2028年の12月23日が描かれる。 平(80歳)の妻の告別式。息子夫婦との同居はまだ始まっていない。 かっこいい生き方の妻のことを思い出す平さん。 ラストシーンが小津安二郎の遺作となった「秋刀魚の味」のラストシーンと重なる。 古川健の戯曲と高橋正徳の演出が重なり まるで新たな松竹大船調とも言える舞台を完成させた。 戦後の日本を長く生きて来た人すべてに見て欲しい。 奇をてらわないで正攻法に描いた日本の庶民を温かく見守る視点がすがすがしい。 古川の描いた舞台「60‘sエレジー」の系譜にあたる作品と言えるのでは? 上演時間2時間30分(途中10分の休憩)21日まで。
by haruharuyama
| 2018-09-15 10:49
| 舞台
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