シアターコモンズトーキョー(Theater Commons Tokyo)2019
というパフォーミングアーツを紹介するプロジェクトがある。
もう今年で3回目らしいのだが、毎年2月から3月にかけて行われるため、
学校の修了制作や年度末の駆け込みの制作のお仕事などで時間が取れず、
これまで、参加していなかった。
先日、こまばアゴラで「ヌトミック」を見に行った時に
久しぶりに出会ったKTさんから、このプロジェクトはとてもおススメです!
というメールをいただき、
丁度同じ日に、シアターコモンズの事務局からもDMをいただいた!
絶妙のタイミングできっかけをいただき、しかもチケット代を聴いて
圧倒的なコストパフォーマンスにびっくりした!
早速、その日の夜に申込み行けそうなところを片っ端から予約した。
実はこのイベントの申し込み料金は「コモンズパス」=4800円なのだが、
このプロジェクトで上演される、10本以上のイベントすべてに
そのチケットで参加できる。1本あたりだと、何と500円を切るような金額!
港区や各国の大使館なども協力してくれているらしいのだが、それにしても安すぎ!
3年前インドに旅行に行った。
その時にガイド役の添乗員のランジットさんが
バスの中でインドのカースト制度について延々と
話してくれた。
ランジットさんは「クシャトリヤ」と言う階級に属している。
クシャトリヤの人たちは
大学に行ってその後商売をしたりする人が多いと聞いた。
カーストは教科書的には「バラモン・クシャトリヤ・バイシャ・シュードラ」と別れており
「不可触選民」という階級の人もいるらしいが、実際はものすごく細かく分かれているらしい。
例えば「掃除」するのがその階級の人たちの仕事として決められている
などということがある。
なので、他の人は彼らの仕事を奪う「掃除」をしてはいけないそうである。
歴史的になぜそのような階級制が生まれたのかは勉強不足でわからない。
日本にも士農工商などと呼ばれる階級制度があった。
インドでは、今もその階級制度が残っているのだが、同時に
グローバル化は進み、多くのインド人たちはスマホを使いこなしている。
本作の冒頭は、出演者の俳優が「掃除」をするところから始まる。
俳優たちが階級制度の中で起きている現実のことを語りだす。
まさに現在のインドで起きていること。
その現実はメディアなどでは正確に伝えられない。
しかし、現実にいろんな階級をまたいだ事件が起きており
それは明らかに人権をないがしろにしている。
私たちはそうしたことが過去から平気行われてきていることに気づかされる。
こうした事実を知ると言うことを演劇を通じて行うということが
演劇の持つ「芸術行為」の貴重な役割の一つなのではないだろうか?
私たちはその事実を目の当たりにしてただ立ちすくむ。
そして、そのことについて初めて思いめぐらすことになる。
それこそが芸術の大きな役割のひとつなのかもしれない。
このシアターコモンズ'19はこれから3月まで続く!
ここでしか見られない体験できないことがありそうで
わくわくする!
上演時間50分ほどでした。