振付・構成・演出:スズキ拓朗。スズキ拓朗が演出する
シェイクスピアシリーズの第2弾。
前回の「ロミオとジュリエット」に続き、今回は四大悲劇のひとつ「ハムレット」
「to be or not to be that is a question」というセリフを知らない人は
いないのではないだろうか?
シェイクスピアはその生涯で37本の戯曲を書き残したという。
あいさつ文で、スズキ拓朗が、今回2作目なので、あと35年続けます。
とあって、これを実現してくれないか!?と本気で思った。
でも、その頃には私はとっくにあの世に行っているだろう。
スズキ拓郎演出の舞台はいつも祝祭性が高い。
今回はフォーティンブラスが何と14人のブラスバンドという設定になっており
14人の出演者&演奏者が白い服を着て、アコーディオンや管楽器、
カホーンなどを持って唄い、演奏する。
デンマークの国で起きた忌まわしい悲劇が
祝祭性のベールをまとって演出されるので悲劇との対比が増幅される。
さらにスズキ拓朗のシェイクスピア劇は複雑な物語構造を
エッセンスだけ抜き取ってとてもわかりやすいものにしてくれるので
シェイクスピア初心者にはとっつきやすい。
さらに、シェイクスピア作品を何本も見ている方には、
あの物語をこんな風に再構築したのか?ということでまた楽しめる。そんな作品です。
セットは道路があり工事現場みたいなものがあり様々な道路標識がある、
という設定。そこにハムレットが3人登場する。
レアティーズも、エリザベス・マリー演じるレアティーズ以外に
「レアティー‘s」として9人、計10人で登場する。
レアティーズは、全員女性なのだが彼女たちが暴走族の特攻服を模した
衣装を着て踊る姿が「欅坂46」のように見えてくる。
こうしたポップな演出の奥で描かれる物語は
兄弟や肉親と骨肉の争いをするというお話。
敵対的な人たちを国外に追放し、その追放されたものたちが復讐しにやってくる。
現在も相変わらず続いている、この復讐の連鎖はとどまることがない。
ギリシア悲劇から延々と続く、人が人を殺し、
そうすることによって、国家や組織を維持していくことの悲劇性が
この舞台では強く描かれる。
ビニール袋とビニールシートを使った演出が面白い。
物語のエッセンスを歌とダンスで表現してしかも、
それで十分に理解できるという、観客の想像力を徹底的に信じたことが
いい結果を生みだしたのでは?
上演時間2時間弱 26日まで、まだ少しチケットあるそうです。
入場料2019円!





