原作:梁石日、脚本:江原吉博、演出:小笠原響
この原作を読んだのはずいぶん前。
しかし、本作の原作の印象は、とてつもないものだった。
生涯の記憶に残る小説の一本。
実は、会社の先輩のKさんに本書を貸していただいていたのだが、
何と10年間借りっぱなしになっていたという情けない話。
本棚で見つけて「あ!」読んですぐにお返ししないといけない!
と読み始めたら、本当に一気だった。
Kさんに10年ぶりに本を返すと、おお、こんなの、貸していたっけ?
とおっしゃってくださり、その懐の深さに、
またまたこの会社の人たちって!と感慨深いものがあった!
大阪は鶴橋が舞台、済州島から日本に移住してきた朝鮮の人たちが、
大阪の生野区を中心に住み始めたのだろうか?
私は大阪出身なので、時々学生時代の友人たちとJ
Rは鶴橋の駅のほぼ真下にある「鶴一」という焼肉屋で
焼肉を食べるのを楽しみにしていた。
いまでは鶴橋の隣駅の桃谷などにもコリアンフードタウンが拡がっており、
東京の新大久保とともにコリアンフードが食べられる
素敵なエリアとなっている。
本作は戦後すぐから東京オリンピックあたりまでの話。
戦後の引揚者などの戦争経験者が居てとにかく激しい!
梶原一騎の漫画はこうした背景から生まれて来たのではないか?
みんな戦争を引きずっていたのだろう。
強烈なキャラクターである主人公の金俊平がとにかくすごい!
劇団昴の金子由之が演じる。そして金の妻役の李英姫を演じる名越志保(文学座)がいい!
夫に暴力を振るわれ、彼はさらに子どもたちにも圧倒的な暴力をふるう。
仕事をしているわけでもなく博打をし酒を飲み放蕩三昧の生活。
家に金をいれず、妻は自らの家を食堂兼居酒屋にして何とか生計を立てている。
そこに突然のようにやってくる圧倒的な不条理としての金の存在。
それを運命だと思って容認する妻。
子どもたちは年を取るに従ってだんだんと金から離れていく。
さらに妻の英姫は実は本当に好きだった人の影を引きずりながら
金と生活していることがわかる。
金はある時、かまぼこ工場をすると言い出し、妻に借金の工面をさせる。
高度経済成長の波に乗った金はその事業で稼いだ金でまた放蕩三昧をし、
女(川崎初夏)を囲うようになる。
しかし最初に妻が工面してきた借金は返さない!
本当に激しいむちゃくちゃな人である。
その後、金の愛人が病気になり、その愛人を妻が面倒を見、
金はさらに若い女(七味まゆ味)と暮らしだす。
若い女は金の子どもを産んで一緒に暮らし始める。
女は金が稼いだ財産が目当てで我が子と自分だけがその財産で
幸せになればいいと考えている。
晩年の金は誰からも見放され孤独になっていく。
先日同姓代のアラカン(60歳手前)の監督と話していて
男の一人暮らしあるいは友人が少ない男たちの晩年の孤独について話していた。
そうした人たちはお酒におぼれる。
ある大手広告会社を退職した有名なCDが60を過ぎて退職し、
朝は5時くらいに起き出して8時くらいから酒を飲み始めるという話を聴いた。
そういえば大阪の新世界などには朝から酒を飲ませる店がたくさんある!
そうやって男たちは晩年の孤独に向き合うのだろう。
他人事でないその話を聴いて、私も実は
この主人公の金さんと通底するところがたくさんあるのかも知れないという気分になった。
2時間にまとめたためか
原作の持つ力強さと奥深さが薄くなってはいるが、
濃密な空間で俳優の身体をその場で感じさせる芝居は
ある種ヒリヒリさせてくれるものだった。
上演時間2時間。14日まで。





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