原作:中上健次(作品集「岬」「枯木灘」「地の果て至上の時」より)
脚本・演出:青木豪、主題歌:山崎ハコ。
当日頂いたパンフレットの表紙にこう書かれている
芙蓉咲く紀州・熊野の「路地」で地を這うように生きた
「秋幸」という男とその家族の「血の物語」である…。
ようやく花園神社に夏が戻って来たその日の夜に観劇。
ステージの前は祝祭性で満ち溢れている。
受付でパンフとチラシ束と一緒にうちわを受け取る。
暑いテントの中に入ると上着を脱いでTシャツ1枚になって
うちわを仰ぎながら俳優たちの口上を聴く。
座長である外波山文明さんがパンフレットを手に持ってここに書かれてある
人物相関図を見ながら観劇をお薦めします、とおっしゃっていて
まさにそれを見ながら見ると内容が良く理解できる。
実は私は今まで中上健次の小説を1つも読んだことがない!
「十九歳の地図」という映画を大学生の時に見て
ある種の衝撃を受けたことは覚えていたのだが、
その原作が中上健次とは知らなかった。
その後映画化された「火まつり」を見たり
中上健次が描き続けた新宮の「路地」についてのNHKの特集番組を見たり、
親交のあった編集者の見城徹のエッセイなどを読んだりして
中上健次の激しいエピソードだけはいろいろと知っていたのに。
生前、外波山文明は中上健次と親交があったらしく、
パンフで中上健次の書いた一説が引用されている。
外波山さんの50年の演劇人生から生まれた数々のエピソードが
とても幸せな人生に感じた。
いろんな個性と出会い
それが外に開かれ多くの人と普通に交流できる。そんな場の自由さがテント公演にはある。
作・演出の青木豪が中上健次のことがとても好きだったということも
本作の生まれたきっかけだったようである。
これを見てものすごく中上健次に興味を持った。
そして彼の著作を読んでみたくなった。
口上で中上の著書を持っている俳優が彼の著作を買うなら「紀伊国屋書店」でお求めください!
というのも花園神社の公演らしく、笑えた。
文化の根っこが新宿にあったことを思い出させる口上だった。
本作では中上健次ではないか?と思われる秋幸(加治将樹)を中心に
路地を主な舞台として物語が進んでいく。
彼の父親の龍造(山本亨)そして母親フサ(水野あや)、
秋幸の異母兄妹でパンパンの子どもで
自らもパンパンをして生計を営んでいるさと子(瀬山英里子)。
龍造の血統、フサの血族たちが路地で濃い人間関係を続けている。
それは決して和気あいあいとしたものではなく、
とにかく日々を生きていかなければならないということ。
そしていろんな感情が交錯することによってさまざまなドラマが起きる。
秋幸と父親との葛藤はその最たるもので
エンディングに向けての悲劇的な展開がまさに
ギリシア悲劇を髣髴とさせる。
野外劇なのでパトカーや救急車のサイレンの音が頻繁に聞こえてくる。
それに負けじと俳優たちが声を張り上げ
懸命に路地で生きて行く姿がその発声に重なって見えてくる。
アル中のおじさんの辻親八、その姪の石村みか
石村みかの娘の恋人の宮澤和之などが印象に残った。
語りを務めるのがモンを演じた岡村多加江。
彼女の語りが野外劇にとてもいい!
休憩10分入れて、上演時間約2時間30分。
7月22日まで。
テントの中でビールやチューハイ、お茶などが売られており、
それもまた祝祭性を加速させる。





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