漫才師のピスタチオ初の演劇。
作・演出が20歳の国の竜史だったので、行ってみた。
この神保町花月ではこうしてよしもとの芸人さんと演劇人たちが
一緒になって新たな舞台作品を作り始めている。
入場料も3500円。学生は2500円!
吉本新喜劇とは違う新たな舞台がここから生まれてくるのか?
最近、闇営業問題で会社の危機管理能力などが大いに問われた
吉本興行であるが、新たなことに挑戦しようという開拓者精神は健在。
そして世間はよしもとの謝罪会見などすでに忘れてしまったかのようになっていて、
いまはあおり運転の宮崎容疑者などが取り上げられている…。
世間とはそういうものなのかもしれない。
ピスタチオは2010年に結成されたらしい!
開演前「携帯電話など」について観劇前の注意事項を伊地知大樹がすばらしい活舌でまくしたてる。
そして注意喚起のために観客をにらむ!目が合って思わず笑った。
素晴らしい!その時は白目ではなく黒目だった。
早稲田の演劇サークルで演劇に打ち込む人たち。
彼らが大学を卒業して、その後までが語られる。
演劇に未練があり仕事をしながら続けているもの。
そしてすっぱりと諦めようとするもの。
さらには男女の関係や先輩後輩の関係などが交錯する。
竜史の描く世界は青春の青臭さが前面に出ていて気恥ずかしくも清々しい!
いつも私が見ている演劇公演でみない俳優さんたちがほとんどだったので
キャスト表を手にこの人は誰それと確認しながら見た。
「20歳の国」からは、湯口光穂と古木将也が出演している。
それ以外にも、吉川莉早、山脇唯、鈴木ゆうは、西村ヒロチョなど
個性的で素敵な俳優さんたちが登場していた。
ピスタチオも公演2ステージ目だったが、
やはりお笑い芸人さんは演技もうまい、と感心した。
カーテンコールの二人のトークで1回目の公演では「かみかみやった!」
とおっしゃっていたが、そんなことはなく
味のある二人の魅力が出ている。
女性ファンが毎公演、見に来ているのもわかるような気がした。
しかも、二人が歌が上手い!
演劇界の中に身を置いている人たちや
俳優や声優などの仕事をしている人たちが見れば
さらに自分事化できるお話なのではないだろうか?
それは多分、作・演出の竜史のこれまでの経験からやってきたものだろうし、
学生演劇から生まれた劇団は劇団員が30歳を迎えるころに
いろんな転機がやってきて継続が難しくなる。
それは俳優という職業も同じこと。
その何回目かの大きな壁を乗り越えられるかどうかで劇団の存続が決まってくる。
それは芸人さんも同じようなことが言えるのかも。
そんな中でいかに奮闘して生きていくのか?
というのがこうした職業を持つ人たちには問われ続けるのだろう。
これから「遊びが仕事になる時代」と言われている。
それは、人を楽しませるような仕事が仕事となるということ。
その中の大きな割合を占めるものとして
俳優や芸人さんの仕事があるのではないか?
では、それをいつまで続けられるのか?ということ。
働き方が多様になって来て、収入を得る方法が増えていることも
これからの可能性を拡げてくれている。
そんなことを考えさせてくれる舞台だった。
神保町花月、侮れない!
映画上映のプログラムも素晴らしい!
上演時間約100分。9月1日まで。
#神保町花月#No2#ピスタチオ