『ブックカバーチャレンジ』⑭( book cover challenge vol.14)
14冊目は村上春樹さんの初期の短編小説集「中国行きのスロウ・ボート」(@中公文庫)
1983年5月に発行されたもの。大学3年生の時に単行本を購入した。
文庫本は1986年に発行。「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」と村上さんが
立て続けに小説を発表され、世の中が少し村上春樹ブームなどと言われ始め。この三作品を
みんなが「羊三部作」などと呼ぶようになった。そんな時に早く新しい村上さんの作品が
読みたいとみんな思っていた時に出た初期の短編小説集だった。
発行は中央公論社だった、この時に発行されていた同社の文芸誌「海」に
いくつかの短編は掲載された。中央公論社に安原顕という名物編集者がいて
初期の村上春樹の作家時代に様々な角度で彼を取り上げて掲載した。
安原さんはその後「マリ・クレール」という女性のハイクラス系のファッション雑誌の
副編集長をされることとなり、そこでも村上春樹のエッセイなどを掲載したり特集を
組まれたりしていた。なので、女性ファッション誌を、私はそのためだけに買っていた。
安原さんはその後会社をお辞めになり自ら出版社を設立し
文芸を中心とした季刊誌「リテレール」を発行されていた。
編集者が1980年代に、こうして個人の名前が出るようになり、その後もいろんな
名物編集者が登場して紹介された。その仕事はまさにプロデューサーだな!
と今も思っている。コンテンツが違え企画して座組してあるプロジェクトを
立ち上げ、何かを作り出すというのは同じです。まさにプロデュースですね。
大学3年の時に読んだ本書の中でも一番好きなのが「午後の最後の芝生」というもの。
学生時代の夏休みにアルバイトで「僕」が芝刈りに行くのだが…。というお話。
ある家を訪ねるとそこは、亡くなった娘の部屋をそのままにしているお宅だった。
夫もなくなり一人暮らしのおばさんが住んでいるこぎれいな家。
すべてが過去形で語られたこの小説が
当時の私の気持ちをなぜ強くつかんだのかはわからない。
でも時々、思い出すように読み返すのがこの短編集。
安西水丸さんが描かれたイラストもこの小説にとても似合っている。
また文中に出て来る音楽や料理、映画や本などの実名のものは
どんなものか知りたくなる、というのが村上作品のもう一つの魅力では
ないだろうか?1970年代に大学生だった私よりも大人の人たちは
どんな世界を見ていたのか?と興味津々で探求していったものだった。
読書文化普及のため
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