『ブックカバーチャレンジ』25( book cover challenge vol.25)
25冊目は立川談春さんの「赤めだか」(@講談社文芸文庫)
単行本がどこかにいってしまったので写真は文庫版。
初版発行は2008年。落語を聞くのがマイブーム(死語?)になったのは
宮藤官九郎がTVドラマの「タイガー&ドラゴン」を書いた頃。
2005年のことである。それを見て、落語に興味を持ち
河原井康明さんに喬太郎が面白いよと言われて見に行ってから
落語をたくさん見に行くようになった。河原井さんはこの
「ブックカバーチャレンジ」のバトンを渡していただいた方でもある。
それ以前の落語体験というと、まずは、関西大学の落語研究会の
大先輩に以前の桂三枝(現:六代目の桂文枝)師匠がおられた。
その縁なのか当時、大阪は梅田にバーボンハウスという
ライブハウスがありそこで毎月「桂三枝の新作落語会」に行っていたのが
私が自律的に落語を聞き始めた最初である。
就職で東京に出て来て、
編集者の大矢麻里子さんとその友人たち(すべて女性でした)に誘われて
浅草は「雷5656会館」に立川談志の独演会を見に行って衝撃を受けた。
談志師匠が高座を終えて幕が下りてくるのだが、
緞帳が下りて来るのを止めてくれと言う。
それから、いま自分がやった落語のどこがどうだったか?という解説を始められた。
元々の話が矛盾があってわかりにくい、それをこうしてやってみたけど
あまりうまくいかない、その原因を考えているんだが、今のところはっきりしない!
みたいな感じでまくしたてた。
談志師匠が生前良くおしゃっていた「高座に上がって芸をしている時は
もう一人の自分がいて、斜め上の高みから演じている自分を見ている」と!
その発言をそのまま体現したような終演後の自己批評!
すごい方がいるんだな!と興奮した覚えがある。
それからしばらくしての2000年代後半の落語ブーム、
その後押しをしてくれたのが本書である。
あの立川談志のお弟子さん!
立川流は寄席小屋に上がることが出来ないという宿命を抱えてしまい
仕方がないので魚河岸で働いてこい!と弟子の談春は築地で働くことになったらしい。
そうした談志師匠の破天荒な発言や奇矯な行動をつぶさに観察し
弟子として当然それに巻き込まれていく
ことが活き活きとした筆致で書かれている。
当時は談春さんもこれからが期待される実力派とは
言われていたが、チケットはまだ確保できていた。
しかし、この数年は多分、最もチケットが取れない噺家さん
の一人になられたのではないだろうか?
人情ものをやる談春師匠のあの姿は他の誰にも出来ない。
本書のような文章を書ける人だからこそ
こうした最高の芸人になられたのかも知れません。
当時、扶桑社が「en-taxi」という奇特な文芸誌を出しており、
その連載が本書発行のきっかけでもあった。
奇特なものが出版されるという編集の多様性からこうした
生涯の記憶に残るものが生まれてくるというのは
世の常なのではないだろうか?
読書文化普及のため
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