『ブックカバーチャレンジ』27( book cover challenge vol.27)
27冊目は世阿弥の「風姿花伝」(@岩波文庫)
購入したのは1992年。私が30歳の時。
言わずと知れた古典的名作と呼ばれているもの。
岩波文庫の「青」と呼ばれているものは
日本思想・東洋思想・仏教・歴史・地理・音楽美術
哲学・宗教・自然科学などの9つのジャンルが含まれているらしい。
本書はそれで言うと「音楽美術」なのか?しかしそれを越えて「哲学」の域なのかも。
若い頃はこうした古典と呼ばれている本があまり好きではなかった
いま流行している本の新刊を購入して読んで話題にしていた。
50歳を過ぎたあたりから、古典に親しむことの大切さが何となく
わかって来た。何百年ものによっては何千年も残って
読み継がれたものには、それなりの意味があるのだ!
ということがわかってくる。そして同時に大体どのジャンルでも
特化して突き詰めていくと同じようなことをおっしゃっている
というようなこともおぼろげながらわかって来た。
とはいえ50歳過ぎてからの気づきである。
昔ならとうに寿命となってそんなことに気づく前に死んでいたのだろう。
村の長老にお伺いを立てにいくということは
そうした気づきはある年齢に達しないとわからないのかも知れないという
ことを体現しているのだろう。30前後で読んだ本書は薄いので必死に
読めば何とかなるという思いで読んだ。能楽を芸術に高めた真髄が
記述されており、この真髄は今もまったく変わらないのだろう。
何度も繰り返し身体が記憶するまでやること。
息が合う演技とは本当に相手との呼吸が合っているということ。
型を覚えてからでないと型破りの演技は出来ないこと。
演じている自分を客観的に見ているもう一人の自分がいること。
完全ではないがこのようなことが書かれており
究極の演技論・演出論にもなっている。
「序・破・急」という言葉も今ではみんなが知っているが
世阿弥はこの言葉を通じて「破」が必ず芸術には必要なのだ
ということを自覚されていたのだろう。このことはこれから
数千年も変わらないことの一つなのかも知れない。
本書の定価310円でした。
読書文化普及のため
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-31201890"
hx-vals='{"url":"https:\/\/haruharuy.exblog.jp\/31201890\/","__csrf_value":"c1c8250369681d8e5c51a9bf8f0893664e4eee093c51f2d1bfe28c6ab23ff7d5ca324250599c33d61f2f5677884ae65b1f94592e57e4428a78ffa3c1b6282d0c"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">