「A-②活動の継続・再開のための公演」東葛スポーツ(@シアター1010稽古場1)
構成/演出:金山寿甲
【出演】
森本華(ロロ)、川﨑麻里子(ナカゴー)、名古屋愛(青年団/青春五月党)、
塚本直毅(ラブレターズ)、安田啓人、神谷圭介(テニスコート)
今年の夏に「東京オリンピック」の上演が同じ劇場で予定されていたのだが
コロナ禍の感染拡大を危惧して残念ながら中止となった。
私たちがコロナ禍で暮らし始めてもうすぐ1年が経とうとしている。
結局、生きて行かなきゃいけないという現実があり、
電車や街の中の人出がみんなマスクをつけてはいるが
ほぼ元に戻っているような状況。
先週の金曜日などはオフィス近くのお洒落なカフェで
若者たちが飲み会をやっておりマスクなしの密状態。
お店貸し切りみたいだったが大丈夫なのか?
と心配しながら通り過ぎた記憶がある。
そういう意味では観客がマスクして椅子に座って、じーっと舞台を見ている
舞台芸術はそんなにリスクがないのでは?という気になる。
飲食の伴わない鑑賞は座席を満席にしても大丈夫との指針もある。
本作は座席の間隔を空けての上演。
満席になっても50名ほどしか入れない。
なので、すぐにチケットが完売する筈である。
体温検査、手指消毒、靴の消毒を経て劇場に入る。
椅子の間隔はあいているのでゆったりしている。
いつもの東葛スポーツらしく舞台の奥には大きなスクリーンが
舞台下手の奥に金山さんが操作するDJブース的なスイッチャーなどもある
副調整室的ラックが置かれている。
東葛スポーツはヒップホップが融合した舞台芸術。
金山さんは若いのに劇中で過去のコロナ前の演劇好きが懐かしむような
「つかこうへい」や「ラジカルガジベリビンバシステム」などの固有名詞が登場し、
70年代から80年代の演劇のことをよく知っているなあと感心した。
そしていま、コロナ禍で、熱く演劇を語ったり、
パフォーミングアーツを見てお洒落な世界にはまったりみたいな状況はなくなった。
本作はタイトルにもあるように「文化庁」がコロナ禍で劇団活動を継続
そしてコロナ後にちゃんと再開させるための補助金の申請のための文言がそのまま使われている。
この補助金は、結局は税金が使われてはいるのだが、
劇中でそのことを指摘するツイッターの書き込みなどが自虐的に挿入され
(実は正確に言うと税金じゃないそうですみたいな書き込み)
そんなところも東葛スポーツらしい!
最近「東葛スポーツ」がNOTEを始めていてそれがとても面白い。
https://note.com/tokatsusports
東葛スポーツにはヒップホップの持つ反体制的なスピリッツが満ち溢れている。
そしてその反体制的な気持ちを、日本語のラップを通してギャグに笑いに変えていこうという
芸術活動がこの「東葛スポーツ」。
このラジカルな作法はまさに80年代にワクワクした宮沢章夫のラジカルガジベリビンバシステムや
スネークマンショーなどに通じるものがあるのではないでしょうか?
ものすごいスピード感の中で圧倒的な情報量にまみれる体験が出来る。
知的好奇心をグサグサと刺激してくれる公演だった。
上演時間70分少々。12月14日まで。
