「石橋けいの あたしに触らないで!」城山羊の会(@小劇場B1・下北沢)
今年、最後の観劇は城山羊の会!城山羊の会の公演は2年ぶり。
主宰者はコロナ禍での上演というかなり大きなリスクをしょって実行してくれている。
この根性の座ったことが出来る芸術家たちに、私たちが出来る事と言えば、
こうして足を運んでお芝居を観ることくらい。
プロデューサーの城島さんを初めとして、作・演出の山内ケンジ。
そして今回奇蹟のような形で集まった個性豊かな俳優たち。
それを支える美術・照明などの技術スタッフ!
ちなみに俳優は吹越満を初めとし、本作の題名ともなっている石橋けい、
ドラマ「共演者NG」でテレ東のプロデューサーとディレクターを演じた
岩谷健司と岡部たかし、ポツドールの常連だったイケメンの俳優、米村亮太郎。
そして山内作品には欠かせないキャラの島田桃依。
若手の岡部ひろきと筒井のどか、という8人。
途中、換気のための5分休憩が2回。
島田さんの一人語りで舞台は始まる。
大きくない劇場のいいところは小声で喋ってもそのセリフが良く聞こえてくること。
城山羊の会の芝居はその大半が小声。
なので、俳優さんたちの声の特徴が良くわかる。
今回のキャストの方々の声がとても聴いていて気持ちがいいことに気づかされる。
本作は島田さんをはじめとする大人たちの性愛の妄想を
カタチにした艶笑喜劇とでも言えばいいのだろうか?
ポツドールで上演されていた芝居を大人が演じたら
こんな感じにシフトしていくのでは?みたいな妄想を私はしたのだった。
米村亮太郎が出演しているのでそう感じたのかも知れない。
セックスシーンがたびたび登場するのだが
巨大なペニスケースを付けた男性俳優たちが女優と絡むシーンが
ある種の記号となっている。
そしてセックスはやはり生きるチカラでもある。
その行為自体は秘められたものでもあるが、
それをこうして劇場で観ることの体験自体が観劇体験の面白いところ。
また見ていて、同時に谷崎潤一郎や江戸川乱歩的な
倒錯した想像の世界がここにあるのでは?とも。
谷崎や乱歩は、自らが想像したことをああした形で小説にしていった。
同様の意味で本作は山内ケンジという作家の倒錯の
想像がこうして俳優の身体を通してカタチになっている。
身体感覚と性愛というのはかなり密接につながっている。
そりゃそうですよね。最大級の濃厚接触かもですからね。
今回の上演は、
実はオンラインで映像の配信がされるらしい!
その際に、映像のキャリアの長い山内ケンジはどのようなカタチで
この身体感覚的なものを映像化していくのか?とても興味を持った。
配信の視聴は
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=59698&
で登録できる。(※12月26日~1月23日まで。)
本作は、現在の多分東京を扱っているのだが、今年の2月頃から起きた
私たちが経験した「コロナ禍」に関して
この舞台では「コロナ」という言葉を一切、使わないで表現し、そのことに新鮮さを感じた。
この「コロナ禍」も実は想像の妄想の産物なの?とまで、思わせてしまうような
異常な日常が今も続いている。
芸術家がこうして発信を止めないことこそが
普通の日常を渇望する私たちの思いとつながっていく。
本公演は12月27日まで。換気休憩2回入れて上演時間2時間弱。
そして、みなさま今年もありがとうございました。
良いお年をお迎えください。



