「THE PRICE」劇壇ガルバ(@吉祥寺シアター)
俳優の山﨑一が始めた演劇ユニット「劇壇ガルバ」の3回目の公演。
谷さんに薦められてチケットを購入した。
アーサーミラー原作の1967年の作品。
70年安保の直前、その頃日本では学生運動が起き、
1969年には東大安田講堂事件が起きた。
米国では戦後の戦勝国としての経済の繁栄を過ぎて、
朝鮮戦争を経て泥沼化していったベトナム戦争に参戦し終息が見えない状況となった。
そんな中から私たちはこのままで本当に幸せなのだろうか?
というカウンターカルチャーが生まれていった。
本作はまさにその時代に描かれたもの。
本作を見ていると人生で成功するとはどういうことなのか?
を問いかけられているような気になる。何が成功と言えるのか?
果たして、成功することが善いことなのか?
そして、それは長く続くことなのか?
そのようなことを家族の関係を通して語りかけてくる。
ヴィクター(堀文明)はこの家の次男。地元の警察官をやっている。
もう50を過ぎ定年を迎える直前のようである。
そして妻のエスター(高田聖子)と一緒にこの街で暮らしている。
父親が亡くなりずいぶんと経って父親の家にある家具を処分し家を解体することになった。
その家具などを買い取ってくれる鑑定人のソロモン(山崎一)を呼んで
査定をしてもらう日。
そこにひょっこり16年間音信不通だった兄ウォルター(大石継太)が
この家にやってくる。
兄は別の街で外科医をしており十分な収入があり世間的な名声を得ている。
弟は学生時代に科学者になろうと大学に通っていたのだが
父親といっしょに住んでおり、大学の学費が工面できず大学の卒業をあきらめ
地元の警察官になったらしい。
兄はその時はすでに家を飛び出して医師になるための学校に通っていた。
その兄と弟の対比が後半に描かれる。
構成がきっちりとしており、
後半の第二幕では兄と弟の会話がヒリヒリとしたセリフで私たちに訴えかけてくる。
この話は他人事ではない。超高齢化社会が加速している私たちにとって
介護と生活をどう両立させていくのか?などの問題が
多くの50代の世代に突きつけられている。
50-80の老々介護が今後進んで60-90介護を超え70-100介護という時代が来るのではないか?
そして家族のために自己犠牲を払って生きるということがどのような意味を持つのか?
がここでは問われている。
本作は日本語訳で「代価」(原題は「THE PRICE」なのだが)となっているらしい。
「代価」としたことに見終わって納得した。
しかし、それは本当に「代価」なのだろうか?と疑い考える自分がいる。
米国的な価値観を超えた何かがあるのではないか?と
東洋に住む私は本作を見て改めて思いを馳せるのである。
上演時間、休憩15分入れて、2時間35分。1月23日まで。




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