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「わが友ヒットラー」三島由紀夫 CEDAR Produce vol.9(@すみだパークシアター倉) 演出:松森望宏、出演:谷佳樹、君沢ユウキ、桧山征翔、森田順平。 錦糸町の駅を出て北口から東京スカイツリーの方角へ向かう。徒歩約15分。 新しくなった「すみだパークシアター倉」に初めての訪問。 入口が親水公園の側から入るようになっており、お洒落なカフェが出来ていた。 ビーガンのカフェらしい。 この日は天気が良く、30分前の開場まで外の公園で待つ。 どの場所で観るのか?みたいなことも観劇の面白さ。 小旅行をしているような気分になる。 受付を済ませて中に入るといつものすみだパークシアターの装い。 完全暗転の完全な暗さはこの劇場は最高ランクなのではないか? CEDARというプロデュースユニットは毎回、挑戦的なことをやっている。 世界中の優れた戯曲にスポットを当て上演をする。 それがあまり知られていない戯曲でも、という前提で。 まるで公共劇場などがやりそうな難易度の高いプロデュースに挑戦し、 しかも、それが一定の結果を出している。 前回、1日だけ上演が行われて公演中止となった「ブリキの太鼓」(@サンモールスタジオ)も 記憶に残る公演だった。 コロナで中止になったが、5月11日~15日にサンモールスタジオで再演をするという 新たなチラシが置かれていた。 本作は三島由紀夫が1968年に書いた作品。 上演は紀伊国屋ホールで1969年に上演されたとある。 ヒットラーを扱っている戯曲なので海外ではあまり上演などはされていないらしい。 三島由紀夫が盾の会を結成して市ヶ谷の自衛隊の駐屯地に潜入し 演説を行い割腹自殺を図ったのは1970年のことである。 自らのひ弱な身体にコンプレックスを持っていた三島は自ら肉体改造をしてマッチョになり、 そして身体に自信を持つようになったことと同時に 自らの思想がどんどんとエスカレートしていったと聞く。 右傾化した三島は自らの最期をあのようにして美しく終えたかったのだろうか? 本作には三島由紀夫が当時、感じていた様々なことが込められたものになっている。 設定が戦前のナチスドイツの時代と言うだけで、そこで語られることは 三島の想いに他ならない。 ヒットラーがドイツの首相となる。 同じ党の突撃隊(SA)の友人であり軍人のエルンスト・レーム。 同じく国家社会主義ドイツ労働者党の左派であるグレゴール・シュトラッサ―。 この党のスポンサーでもある大口献金者で工業地帯のエッセンで 鉄工場などを運営しているグスタフ・クルップ。以上4人だけが登場する。 ここで描かれるのは三島も理想とする美しい国家形成のため右傾化へ邁進する男とそれに反対する男、 さらには鉄器の武器などを販売して大きな権益を得る男と 国家の理想と自らの理想を掲げて首相になったのに、そのことが彼を孤立させ 孤独の中でにっちもさっちもいかなくなっている男のそれぞれの苦悩。 リーダーの孤独は、リーダーになることで必ず生まれること。 そして彼らは、孤独の中で思索し前に進んでいかなければならない。 ヒットラーは本作の中で「中道政策」を取ることを決める。 世論を惹きつけ、最終的なカリスマになっていくためのステップとして。 そこには自らの進むべき理想への道だけが残る。 美しさとか純粋さが行きつくと先鋭的になり排他的になってしまうのかも知れない。 歴史を繙くと過去にも家族や親戚を皆殺しにして自らの権力を守る、理想に邁進する というような事例がたくさんある。我々はそうしたことを何度も繰り返す。 しかし、理想とはなにか?美しさとは何か? それらのことが人によって全然違うものですよ!という前提を知ることが 実は大切なことでないか?などと考えるのだが いかがでしょうか? 今回、本作を見て常に感じていたことは ロシアのウクライナ進攻のことだった。 プーチンは何故、世界中から批判を浴びてもああした行動をとったのか? そしてロシアには多くのウクライナ人が暮らし、ウクライナにも多くのロシア人が暮らしている。 なのに、何故?と普通の人は思うのではないか? 本作の公演を企画する時にはウクライナ問題は発生していなかったのでは? しかし、時を同じくしてこうした問題が起きた。 私たちは時代が変わってもまた同じようなことをしてしまっている。 三島由紀夫の書いた台詞が装飾的で言葉の強度がすごい! なので、俳優たちはその言葉に向き合い、本当の意味で 自らの言葉にすることによって初めて観客に伝わることがある! という俳優をも試すような戯曲でもある。 そこに果敢に挑戦していくCEDARの取り組みに注目したい。 上演時間 約2時間15分。3月27日まで。
by haruharuyama
| 2022-03-21 08:11
| 舞台
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