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「ケダモノ」作・演出:赤堀雅秋(@本多劇場) 製作が「ケダモノ製作委員会」となっている。 これからはこうした舞台芸術などでも製作委員会方式での プロダクションが増えて行くのだろうか? 特に、この数年はコロナ禍での上演リスクが半端ない。 リスクを分散させながら持続可能な状態を保って行かなければどうしようもない、 という現実を多くの人も感じているので大いに共感するだろう。 以前、谷賢一さんが「プルーフ(証明)」の舞台公演でクラウドファンディングでの 上演資金調達をされていたが、これからそうしたことが増えてくるのだろうか? 本作の舞台はある地方の街。 山奥の倉庫みたいな場所で中古品のリサイクルショップを経営する大森南朋。 そこで5年ほど働いている荒川良々と若い新人の清水優。 大森と副業ビジネスをやっている自称:映画のプロデューサーの田中哲司。 そしてこの街のキャバクラで働くフィリピン人の母親と日本人の父親の間に生まれた 無戸籍児の門脇麦。同じキャバクラで働く新井郁。 父親が鰻屋を経営していてその父が88歳でなくなるまで結婚もせず 面倒を見続けた56歳になる郵便局勤務のあめくみちこ。猟師の赤堀雅秋。 という豪華なキャスト8名の舞台。 田中哲司が映画監督のジャン・リュック・ゴダールの大ファンで 中でも「勝手にしやがれ」が大好きというエピソードが印象的。 田中と大森、門脇麦が3人でマジソンダンスを踊るシーンがあるのだが、 調べてみるとゴダールの映画「はなればなれに」(Bande a part)(1964年)の中で 同じようなシーンがあるらしい。 (※ https://note.com/moi_iommoi_iom/n/n6b377ae8298fより参照) 赤堀さんはゴダールの映画が好きなのか? それとも、あの時代の持つヒリヒリとした独特な感覚がこの舞台らしかったのか? すぐにでも暴走し自らをも壊してしまいそうな感覚とでも言うようなものが ヌーベルバーグの映画にはあった。 今までの映画的文法をぶち壊してみたいという20歳代のゴダールの想いが 当時のゴダール作品には充満している。 赤堀さんも今までの演劇的な手法や物語を語る文法を何らかのカタチで ぶち壊してみようと思われたのか? 芸術家はいつも、既存のやり方を破壊し新たな創作を行おうとする人たち。 本作もそうした気概に満ち溢れた作品。 倫理観の強い人たちはこの作品を受け容れられない人もいるのではないか? 賛否両論が起きるのを覚悟で創作に挑戦し続ける。 本作を見ていて、何故か先日タクシーの移動中に50歳代半ばで急死された 作家の西村賢太のことを思い出した。 観劇後、西村賢太の作品がとても読んでみたくなった。 コロナが蔓延して世界中が不自由を感じている時に ある種の「爆発的な開放」みたいなことが起きないか!と期待している自分が いつもどこかに存在する。 その気持ちをこうした作品に仮託することによって ある種のカタルシスを得る。 相米信二監督が映画「セーラー服と機関銃」で薬師丸ひろ子に機関銃を乱射し その後「カイカン」と言わせたような感覚がこの舞台にも確かにある。 本作はタイトル通り「ケダモノ」のような人たちがたくさん登場するのだが 人は生まれつき「ケダモノ」であるわけではない。 「ケダモノ」になる可能性はすべての人にある。 「ケダモノ」の感覚が爆発する時にそのベクトルが外側に向けられるか 内側に向けられるかの違いはあるのだろうが。 そうした人間がみんなもっている根源的なことを「ケダモノ」という作品は内包している。 敢えて極端に露悪的に描き出すことをそのまま提示してみようという試みは 演劇というジャンルからしか生まれてこないのか? 映画の世界と演劇の世界を行き来している赤堀さんは どのような思いでこれを私たちの前に提示してくれたのだろうか? 洒落たブックレットになった読み応えのあるパンフレットの中で 赤堀さん自身は、この物語は「露悪的」な世界を描いたのではなく 「願い」や「祈り」に近いものかも知れないと語っておられる。 衝撃の問題作!というような陳腐な言葉では語られたくない、 今を生きる意味を問う意欲作。 上演時間1時間55分。5月8日まで。その後、札幌、大阪公演がある。
by haruharuyama
| 2022-04-23 12:17
| 舞台
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