「花柄百景」Mrs.fictionのこまばアゴラ劇場主催プログラム(@こまばアゴラ劇場)
作・演出:中嶋康太。Mrs.fiction は2020年8月に予定していた公演が中止となり、
それ以降活動を一切停止していたらしく、本作は2年ぶりの公演となる。
本作は再演であり初演は2012年に上演されたらしい。
私はMrs.fictionの舞台をみたことがなく今回が初めて。
落語のお話をされると聞いて楽しみにして来た。
実は会社でPODCASTを運営しており「伝統芸能部」という番組の中の「落語」を担当している。
Spotifyは「こちら」、ApplePodcastは「こちら」です。
メインキャスターの和田尚久さんやメインポッドキャスターの三浦知之さんに
深い内容はお任せしている。
私自身はそんなに熱心な落語ファンではないのだが、
落語を見るようになったのは劇作家の宮藤官九郎さんがお書きになった
落語をテーマにしたドラマ「タイガー&ドラゴン」から。
そういう意味でも演劇界の方からインスパイアされて
こうしたものを観ているということでもある。
以下ネタバレあります。
本作は花柄花壇という可愛い名前の噺家さん(岡野康弘)とその弟子たちの物語。
近未来の設定なのでそこにAIなどの要素が入ってくる。
AIとの落語対決に行った花柄師匠がAI落語に完敗して戻ってくる。
その時にいた弟子たち(ぐんぴぃ)は師匠の元を離れ、師匠は一人だけになる。
花柄流を継ぐ人としてしばらくしてからまったくお門違いの人たちを師匠は受け容れていく。
ヘビメタをやっている男女(今村圭佑・永田佑衣)とホームレスで橋の下に住んでいた少女(前田悠雅)。
師匠は大きな包容力で彼らの面倒を見る。
住み込みで共同生活をしながら落語の稽古をする。
いつも暴言を吐いているヘビメタカップルと
ほよよんとした元ホームレスの少女と伝統芸能である「落語」の世界とのギャップが笑いを誘う!
落語の世界にも実は、そうした要素を取り入れることによって
新たな価値が生まれそうな予感がしてくるのはいつの世も同じことなのかも知れない。
落語と言う世界の持つすべての人たちを包摂する魅力は
噺の中だけでなく噺家さんたちの世界にもある。
新たに入って来た異業種の噺家の弟子たちと、
これまでの伝統を守って修行をしてきた元弟子の視点を通して
噺家さんの世界が複眼的に見えてくるのが面白い。
これは演劇と言う器を借りて落語と噺家たちのどうしようもない、
しかし愛すべき人たちに向けての応援歌なのではないだろうか?
花がどんどんと手向けられる演出もそんな印象を強くしてくれる。
上演時間80分。やわらかな微笑ましさが残るしみじみとした小品である。
高校生以下1500円なので、中高生にも是非見てもらいたいものです。
ではお後がよろしいようで。…。5月23日まで。




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