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「関数ドミノ」イキウメ(@東京芸術劇場シアターイースト) 初日観劇。作・演出:前川知大。 イキウメの「関数ドミノ」を私は2009年と2014年に見ている。 をご覧ください。 本作の戯曲自体は2009年のさらに前に書かれたものらしい。 その後、こうして何度も再演を繰り返され、その時々で印象が少しずつ変わっていく。 一昨年だったかのiakuの再演の舞台「逢いにいくの、雨だけど」を見て、 再演に対する印象が自分の中で大きく変わった。 それまでは初演新作至上主義的な考えを持っていたのかも知れない。 しかし、再演でもいいものはいいし、 いいものがさらに演出や俳優のチカラで進化していくことを目の当たりにした。 戯曲もその時代やキャストに合わせて変化しているので何回見ても新鮮な印象。 本作「関数ドミノ」も同様。 「宗教心」とは何か「信じる」とは何か?が描かれる。 人間のココロほどうつろいやすくその時々によって感じていること考えていることが 変化する動物はいないのでは? 人間は嘘をつくし、しかも自分の都合のいいように解釈する生きものである。 そうすることによって自らを守ろうとしているのかも知れない。 その私たちが持っている根源的な特性を前川さんはこうして演劇という形にして 私たちに提示してくれる。 科学で解明されないことを私たちは信じるかどうか? 死を告知された患者が祈りや霊的な商品にすがる場合もある。 その時に私たちは多分「奇蹟」を求めているのだろう。 信じることによってその人自身が変化するということは確かにある。 このコロナ禍の閉塞的な時代だからこそ、前川さんは本作で ある種、祈りにも似た希望を持つことを教えてくれる。 直接的にそのことを語るものではない。 しかしながら過去の公演と比較しても、 今回の公演ではそこが強調されていたのではないか? それは精神科医である小野ゆり子と 「ドミノ」(=ここでは奇蹟を起こすことを、このような言葉で呼んでいる)の存在を信じている 男(安井順平)を対比的に描き出すことによってあぶりだしている。 小野が以前5年ほど付き合っていた元交際相手の安井に語る言葉がとても印象に残った。 医師として科学者として「ドミノ」を信じることができない小野。 「ドミノ」が起こす「奇蹟」をある種の実験を行い証明しようとする安井。 安井の仮説を信じて周囲の人たちが動き出す。 ある事故を発端に彼らの中で何かが動き始める。 科学で解明できていない多くのことがあるのは私もそう思う。 3次元世界だけでは語れない世界があるだろうということなど。 ブラックホールとは一体何なのか?とか? その実態をリアルに語れる人はいるのか? 今の私たちの「生」は宇宙の大きく長い法則からすると瞬間のまたたきのようなもの。 その「生」に固執すること自体が取るに足らないことなのかも知れない。 しかし、私たちはその取るに足らない世界で瞬間的な「生」を目いっぱい生きているというのも事実。 では私たちはどう生きていけばいいのか? これこそが「宗教」の根源なのでは? などということの示唆が安井順平と小野ゆり子の対話の対比から見えてくる。 「信じる」ことによって「信じる」人自身が変わっていくという単純なこと。 「信じるものは救われる」という言葉の本質的な意味はそこにあるのではないか? 実は「宗教心」というのはすごく単純なことなのではないか? それをキリストやブッダやマホメッドは純粋に感じ考え信じていたのではないか? その弟子たちがそれを伝え、継続や伝承されることで その純粋さが失われていったのではないか? 昨年読んだ遠藤周作の「深い河」などを読むとまさにそれらのことを考えさせてくれる。 また小室直樹先生の著書にもそうした宗教に関す記述があり 昨年は「宗教」のことについていろいろ考えた。 それらの「信じる」に関することを本作では「ドミノ」という言葉にして こうした舞台に昇華させていったのではないか? 2009年の公演の記述でも書いたがカールドライヤーの「奇蹟」という映画をいつも思い出す。 いったん視点を引いて俯瞰する。 実は私たちはいつの時代でも「あいまいな不安」みたいなものを常に持っており それを何らかの形で受け容れ生きていく術を持とうとしているのではないか? 人間は「忘れる」動物であり「死」を必ず迎える生き物であるというようなことも含めて 深く人間を理解しようと思わせる演劇作品ではないだろうか? 心理サスペンス・エンターテイメントでもある本作をぜひみなさんも体験してみてください。 知的好奇心をばしばし刺激してくれます。 個人的に見ていて数学者のことを思い出した。「abc予想」や「リーマン予想」などを 解決しようとする数学者の発想は、本作に通じるものがあるのではないか? 足し算だけの世界と掛け算だけの世界を分けて考えるような 数学者の超クリエイティブな想像を作る世界と似たようなものが 本作の中にもあるのではないか? 上演時間2時間5分くらいか?6月12日まで。その後、大阪公演。
by haruharuyama
| 2022-05-18 07:38
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