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「天の敵」イキウメ(@本多劇場) 作・演出:前川知大。前回、本作を見たのは2017年5月だった。 当時の感想は以下に、https://haruharuy.exblog.jp/27815839/ あれから5年。そのうち3年はコロナ禍である。 それによって大きく状況が変わり。本作が描いていることが、 ある種のリアリティを持って描きだされているのではないか? 先日フランス人映画監督のジャン・リュック・ゴダールが亡くなった。 ヌーヴェルバーグという映画のジャンルを確立された人。 それまでの映画の文法を破壊して新しいスタイルを確立された。 後期には「映画史」という途方もない映画と映像と歴史を繙くような ゴダールの思索を見せつけられ呆然とした。そんな方だった。 ゴダールは90歳を超えて「自死」を選択した。 スイスでは合法的に選択死が認められている。 「尊厳死」という言葉もあるのだが、これは自らの点滴のコックを空けて 薬剤が体内に入り死に至るというもの。 以前、日本人のALSの患者がこの「自死」を選択したという現実を追った ドキュメンタリー「NHKスペシャル」が放送された。 それはものすごいインパクトを持って私の記憶の中に残った。 同時に晩年の「自死」という話になるといつも思い出すのは西部邁さんのこと。 西部さんの妻が先立たれ、西部さんは生きる意味をなくしたのだろうか? そして西部さんは何人かの仲間の助けを借りて多摩川に入水自殺をした。 仲間は西部さんのために幇助してあげたいという気持ちになぜなっていったのか? いつもそのことを想像する。そしてその方は会社を辞めることになった。 時々行くBARでいつも西部さんとその方の姿を見ていただけに このことは、私の記憶の中に強く残った。 現実には劇的なことがたくさんある。 そして誰も想像できないようなことが普通に起きる。 実は、この「天の敵」で起きているようなことも これから現実になるのではないか? 大きな意味で捉えるとこのようなことが生まれるというのは いつの時代も同じなのかな?と思わせてくれる。 ある男の100数十年に渡る物語。 不老不死という能力を獲得した男。浜田信也。 彼が出演する菜食主義(ビーガン)(同じ意味で捉えていますが、詳しくは違うのかも知れません)を テーマにした料理をTVの料理番組で収録しているというシーンから本作は始まる。 場所は浜田信也と菜食料理家(瀧内公美)の住む大きな邸宅のキッチン。 ここで今回の番組のロケーション撮影が行われる。 この料理学校に数か月前から通う生徒(豊田エリー)の夫(安井順平)は フードジャーナリストをしている。 「食の安全」などのテーマについて、何年もノンフィクションを執筆している。 豊田エリ―は浜田信也のことを夫に話す。と 夫はそのことに興味を持ち浜田にインタビューしたいと言うことに。 TV番組の収録後、そのキッチンで安井は浜田信也にインタビューを始める。 極端な菜食主義などは、そうではない通常の生活を行っている人たちからは、 ある種のうさん臭さみたいなものを感じることがあるのではないか? 極端なことを行っている人は往々にしてそのように見られてしまうという現実は確かにある。 それは引いて見ると「うさんくささ」というのが 何かを「信じているか信じていないか」ということとつながるのかも知れない。 それは食生活以外の様々なことに言える。 死を宣告され現代医療では手の施しようがないなどの病気になった場合などは、 藁にもすがりたい思いで何かを求めるのは良く理解できる。 「信じている」人は当然「信じている」ものに対して肯定的である。 そして、「信じていない」人は、それらの人に対して「うさん臭さ」を感じるのも真実。 異教徒に対する弾圧などが起きるのはまさにその「信じる」ということの 違いから来ることなのではないだろうか? 本作では、そのような要素を、圧倒的に強い物語の構築によって 強いリアリティを持たせている。前川知大の描く世界に絡めとられ、 彼が描く状況を観客はまさに「信じる」ようになっていくのである。 物語の効用はこんなところにもある。そして、物語の持つ恐ろしさもそこにはある。 過去から、人間たちは物語を構築することによって人類の叡智を後世に伝えて来た。 ユヴァル・ノア・ハラリさんなどが著書の中でも語っている。 宗教も人間の持つ物語の世界を知り感じる力を活用して来た。 人の気持ちは揺れ動く。ある種の「欲望」と「抑制」の間で。 その中で人は生きているのかも知れない。 戦争などという異常事態になるとその箍が外れ極端な行動が加速する。 前川知大はこの物語を構築するときにはそんなことを考えながら書いてはいないのだろう。 書き終わったらそうなっていた、という。 村上春樹の物語世界にも似た独自のこの世界観こそが作家性というものなのかも知れない。 そして、私たち観客は劇場でその物語を体験し 共感覚的なものを持つのかも知れない。 同じ「ライブ」や「舞台」を見た人たちの「共感覚」には 共感する方も多いのではないだろうか? そして、本作での演出の特徴として全くの完全暗転がないということ。 フラッシュがたかれるというような照明と音響の効果でシーンが変わっていくのだが、 その間がほとんどなく、まるで本作を見ているとワンカットの映像を見ているようになる。 これは先日拝見した加藤拓也の「ドードーが落下する」でも行われていたし、 五反田団の公演でも同様の演出が施されていた。 ワンカット的な運びだと、私たちはそこから目を話すことが出来なくなり 最後まで見てしまうということがあるのではないか? その効果を知ってか知らないでか?こうした演出が増えているのが今っぽいなと思う。 実は映像の世界でもワンカットに見せる映像が激増している。 テクノロジーの進化やカメラの小型化などがそれを加速させたのかも知れない。 2008年のスウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」をまた見て見たいと思った。 この映画もいいですよ! 「天の敵」は上演時間2時間15分。10月2日まで。 その後、大阪公演。 そして、11月にはイキウメ「外の道」のパリでの公演がある。 フランス人は前川さんの劇世界をどう見るのだろう?
by haruharuyama
| 2022-10-06 09:58
| 舞台
|
Comments(2)
Commented
by
みき
at 2022-10-06 15:32
x
はじめまして。
『天の敵』、たいへんおもしろかったですね。 興味深く拝読しました。 おすすめの映画は機会があったら見てみたいです。 パリ公演の演目は『外の道』だそうですよ。 それと病名はALSではないでしょうか。 ちょっと気になったもので。
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Commented
by
haruharuyama at 2022-10-19 10:08
> みきさん
みき様 ご指摘ありがとうございます。修正させていただきます!
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