「土を喰らう十二ヶ月」2022年日本(@イオンシネマ市川妙典)
先日、料理家の土井善晴と中島岳志さんの対談本を読んだ。
ミシマ社が出している「料理と利他」というものだった。
そこで土井さんが語っておられることがまるで
禅宗のお坊さんや哲学者が語っていることのようではないだろうか?と思いながら読んだ!
民芸のことにも触れておられ、それに触発され、
先日、京都の河井寛次郎記念館にも行ってみた。
その土井善晴さんが料理監修をしているということで興味を持った本作。
土井さんは別の著書「一汁一菜でよいという提案」などで
食事は「ごはん・お漬物・お味噌汁」の一汁一菜さえあれば十分です!
ということを言い続けておられる。
宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の中にも「一日に玄米四号と味噌と少しの野菜を食べ」
と書かれているが、これと同じやんけ!と驚いた。
ここには私たちのこの場所に暮らす人たちの食事に対するひとつの真理があるのだろう。
禅宗では料理をするということが修行の一つと言われている。
掃除なども含めて様々な生きるための家事が「善く生きる」ことにつながるという思想。
本作の原作は作家の水上勉さんが書かれた同名のエッセイだそう。
それを「ナビイの恋」などで有名な映画監督の中江裕司さんが映画用に脚本を書き監督をされた。
撮影は1年半に及んだらしい。
信州の田舎の古民家に住む作家のツトムさん(沢田研二)
一人で畑をやりながら、愛犬の「さんしょ」とともに黙々と生活している。
この映画はその様子を淡々と捉えている。
窓外には信州の山並みが広がり、掘りごたつ形式になった和机に座って
ご飯を食べたり本を読んだりされている。
食材は畑や山にあるものを採取して料理する。
時々、書斎の机で万年筆を使って原稿用紙に手書きで原稿を書いている。
妻は13年前に亡くなったという設定。
妻は彼の担当編集者だったことがわかる。
妻の後輩だった編集者(松たか子)が新たなツトムさんの担当編集となり
時々、車を運転して様子を見にやってくる。
スマホも携帯電話すらない時代。
沢田研二演じるツトムさんと松たか子の関係は年が離れた作家と編集者以上の
関係が出来ている。それを「恋愛」と呼ばないのかもしれないが、
そこには確かに「愛情」がある。
失くした妻の母親(奈良岡朋子)は健在でさらに田舎のまるで掘っ建て小屋のような
家で質素に暮らしている。時々、その母親の様子を見に行く沢田研二。
一緒に愛犬の「さんしょ」を連れて。
映像の一つ一つが愛おしくなるような慈愛に満ち溢れている。
野菜を洗う風景、おくどさんでご飯を炊く様子。漬物を作る風景。
畑に食材を取りにいく様子。
少し、ふっくっらとした(数年前まではもっとぷっくらとされていて、
少し痩せられてふっくっらとした感じが丁度ええ感じ)沢田研二が淡々と動き語る。
京都で育った沢田さんの関西弁が気持ちいい。
亡き妻の遺骨を彼は13年間自宅に置いておりお墓に入れていない状態。
そんな時に亡き妻のお母さんが亡くなる。
連絡が取れないので、ある日お母さんの小屋に行ったらお母さんが亡くなっていた。
私にとってはこうした死に方がある種の理想かも知れないが、みなさんはいかがでしょうか?
沢田研二もこの映画の中で寝る前に「みなさん、さようなら」と言って眠りに落ちるのは
とっても共感する。
眠ったまま起きてこなければそれは「死んだ」ことになる。
なんの痛みも苦しみもなくこの世からいなくなることの潔さ。
義理のお母さんの葬式を沢田研二(ツトムさん)の家でやることになり
「通夜ぶるまい」の料理を松たか子と二人で懸命に作る様子がいい!
収穫したゴマから練り物を作ってそれに葛粉を足して「ごま豆腐」を作る!
十二か月という題名の通り、この信州の古民家とその周辺での四季の風景が
そこに棲む動物たちとともに映し出される。
まさに、人が生きていくことの原点がここにあり、
毎日の「いただきます」が、私のような年になると
いかに「ありがたい」ものであるのかを実感するのである。
上映時間1時間51分。
(画像は映画のHPから引用しました)


htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-32891196"
hx-vals='{"url":"https:\/\/haruharuy.exblog.jp\/32891196\/","__csrf_value":"7b5176b530a5fc46488a111e5afbd8f35540e82dd78a105c6b60959e6dcb053093e0de2184eeb540b6b4c8e264781681d4aa8141d8534520bab70b0eb536e01a"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">