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「日本文学盛衰史」青年団 第96回公演(@吉祥寺シアター)
2018年6月からの再演。4年半ぶり。当時の様子は https://haruharuy.exblog.jp/29843239/ ここに記している。 見終わって、再演で現在にアップデートされ大幅に変わったのか?というように感じたのだが、 実は、当時の記録を読むとそうでもないことがわかった。 とは言え、最近の時事ネタも満載。 しかも、それがまさに「現在口語」で語られる。 今どきの言葉で語られることで、あの当時の様子が活き活きとしたカタチで伝わってくる。 POPなブンガクを語っている原作。 その作風は高橋源一郎が「さようならギャングたち」を書いた頃から一貫して変わらない。 時事ネタの中に、東京オリンピックや表現の不自由展で展示された慰安婦少女像などについてのことを 想起させるエピソードが挿入されている。 特に椅子に座る女性のシーンは印象に残る。 芸術家の役割を意識し私たちは誠実に世界に向き合い声を上げ続けなけなければならない! と平田さんは常におっしゃっている。 そのことを、実際の作品を通じて勇気を持って発信し続けておられる。 そこから想像するに、本作品は芸術家として世間とどう向き合うのか? ということが根っこに書かれており、そこにどう立ち向かっていくのか? を日本文学史を通して語っておられるのではないか? 高橋源一郎さんの原作を読んでいないのだが、 言葉を通して人に何かを伝えることを文学者たちはやってこられていた。 明治維新となり、江戸時代に300藩ほどあった幕藩体制が崩れ、 日本国という統一された国家が生まれた。 各藩での方言で語られていた言葉が統一された言葉で語られなければならなくなる。 中国でも中華人民共和国が生まれた時に 標準言語の「普通語」(プートンファ)というのが作られた。 日本も明治維新以降、統一された言葉の開発が急務だった。 論語などの漢文に親しんで来た武家の人たちはそれなりに読み書きも出来た。 しかし、同時にそうではない圧倒的大多数の市井の人々がいるのが現実。 新たな国家では武家で学んで来た人ではない。 それらの方々にも広く「言葉」を伝える必要が出て来た。 それが「喋り言葉」と一緒にする「言葉の開発」ということ。 それを明治の文学者たちは四苦八苦しながら生み出していったのだろう ということが伝わって来る。 「言文一致体」という言葉があるが、まさにその言文一致に至るまで 北村透谷や正岡子規、二葉亭四迷や夏目漱石たちが文学に向き合って 創作をしながら生きていった。 同時に、海外、特に西欧の文献が日本にドッと流れ込み、 海外の様々な文献が翻訳させるようになっていく。 夏目漱石の展覧会がずいぶん前にあったのだが彼がロンドン留学時代に学んだ英語のメモなどを見ると、 本当に高いレベルで英語を学んでおられたことが伝わってくる。 本作はこの北村透谷、正岡子規、二葉亭四迷、夏目漱石が亡くなった通夜の席が舞台。 4人の通夜からなる四場の構成で作られている。 この日は平田オリザさんのアフタートークがあったのだが、 その中で樋口一葉のことについて語られていたのが印象的だった。 日本文学とはそもそもここにも登場する森鴎外(陸軍軍医でもあった)などを 筆頭とする男性インテリ知識人の苦悩から生まれて来た歴史があると。 しかし、樋口一葉は違っていた。 市井の人たちの生活に焦点をあてていき文学を一部の知識階層のものだけにしない。 特に男性知識人だけのものではない!という想いと覚悟があったのだろう! それは劇中でも樋口一葉(田崎小春)の創作の覚悟としてのセリフが書かれていて その言葉に心が動かされた。 彼女がもう少し長く生きていたら、文学とジェンダーの意識が もっと違っていたのではないか?という平田さんの言葉が残っている。 決して難解な舞台ではない。 むしろPOPで笑いどころ満載。 今回、私がもっとも印象に残ったのは三場だったかで、幸徳秋水(串尾一輝)と 菅野スガ子(高橋智子)(?=間違っていたらごめんなさい)が マイクを真ん中に置いてミルクボーイの漫才から援用された「コーンフレーク」やのうて、 「共産主義」やないか?という漫才は白眉。 特に串尾さんの芝居はミルクボーイが乗り移ったんとちゃうか?くらいの素晴らしい出来栄え。 これを見るだけでこの舞台を見る価値があるんとちゃうか? と思っているのは私だけでしょうか? ぜひ、劇場で!上演時間2時間20分(休憩なし) 平田さんの最近出た日本文学に関する新著「名著入門-日本近代文学50選」(@朝日新書)も ロビーで売っています。1月30日まで。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
by haruharuyama
| 2023-01-17 09:57
| 舞台
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