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「桜姫東文章」木ノ下歌舞伎(@あうるすぽっと) 作:鶴屋南北、監修・補綴:木ノ下裕一、脚本・演出:岡田俊規。 出演:成河、石橋静河、武谷公雄、足立智充、谷山知宏、森田真和、板橋優里、安部萌、石倉来輝。 「鎌倉殿の13人」で静御前の役を演じ、舞った石橋静河。 彼女が命とプライドを賭けて芸術に身をささげる覚悟で舞ったシーンは あのドラマを見た多くの人たちの記憶に残るシーンだったのでは? 本作でも身体の動きを含めてものすごい印象的に演じておられた。 そして昨年、紀伊国屋演劇賞を受賞した成河(ソンハ)。 成熟した俳優として舞台である種の輝きを放ってくれる。 そして木ノ下歌舞伎にあの、小劇場演劇の伝説を作った岡田俊規を 脚本・演出に迎えている。 大きなプロダクションを次々とこなしている木ノ下裕一の「木ノ下歌舞伎」が いまやある種の「ブランド化」している。 そして、本作ではそのブランドイメージを新たに破壊し再構築してみようという 気概に満ち満ちている。そういう意味ではとても刺激的な公演。 しかし、ここまで書いてきたように 外連味(けれんみ)たっぷりの文章で盛り上げているが、 実際の舞台は真逆の表現である。 その、外連味や大げさな表現をある種の型として歌舞伎をとらえ それが、歌舞伎の魅力であると考えている人には、「なんだこれは?」と 思う方もいたのではないだろうか?それも含めて革新的な公演。 たぶん、江戸時代の歌舞伎とはこうした実験的な試みをやる人たちが 何度も登場して新たな表現を作っていったのではないだろうか? そういう意味では木ノ下歌舞伎はその時代に普通に行われていたことを 現在進行形として上演していると捉えられるのでは? 岡田俊規のファンにはたまらない公演でもある。 少し前にKAATで上演された岡田俊規の演出した作品「未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀」では 能舞台を模した形式で上演が行われた。 今回は岡田さんがどのように鶴屋南北の戯曲に向き合ったのか? 折り込みの中で岡田さんは翻訳に徹したと書かれていた。 そのココロは、たぶん、この「桜姫東文章」という作品の持つ骨格を際立たせて そのエッセンスを抽出する作業を行われたのではないだろうか? 引き算の美学である。俳句や短歌などに代表される引き算の中で 岡田さんは徹底的にコアな部分だけを残して、 この陰惨で悲惨な物語を淡々と語ることにトライされたのだろう。 そのために俳優の発声は抑制され感情があまり出ない形で演じられる。 まるで映画監督の浜口竜介のワークショップのような。 そのことによって観客が物語を自ら組み立て想像し、 そのセリフを含めたテキストの中から発せられる劇的なるものに自らが気づいていくという 作業が繰り返される。 生身の俳優が目の前でそれを演じることによって観客たちはそれを拡大的に想像し ある種の知的刺激を受ける。そんな作品。 チェルフィッチュの舞台で俳優が演じ発話する前に 「今から〇〇のことについてをやりーます」 と言って本編に入るというものがあるのだが、 本公演でもこれから起こるシーンについてがテロップで投影され、 そして、それが演じられる。 伝統芸能とは何度も繰り返される演目が多いので、見ている人が その演目の筋を知っている状態で演じられるというのが常である。 本作はその状態を、各シーン毎に、疑似的に作っているのだろうか? また抑制された演技の中で「見得」を切ると言われている、歌舞伎の決めポーズが出ると 「〇〇屋!」という「大向こう」の掛け声が俳優たちから聴こえてくるのも面白い。 抑制された身体からの「見得」がある種の独特な雰囲気を醸し出す。 歌舞伎と似たような演目が講談や落語でも演じられることがある。 その時はきらびやかな衣装を着た役者たちが演じるわけでもないのに、 その情景が見えてくることはないだろうか?歌舞伎というスタイルでそれやってもいいんじゃね! とこの作品は語っているように思えるのだがいかがでしょうか? 舞台上に設置された音響設備とPCからある種のヒップホップのようなリズムが流れ続けている。 (サウンドデザイン:荒木優光、音響:甲田徹) その雰囲気もいい! 「池袋ウェストゲートパーク」や「新宿スワン」のような世界観が広がる。 この戯曲で描かれた世界が現在ならこうだったのではないか? ということが想像される。 また、物語の骨子が整理され明確になると本作で描かれている 悪漢小説のような世界観に戦慄する。 人を人と思わず、命の重さがとても軽んじられている世界。 金や欲望のために殺人が行われ、武士の威厳のためにつまらない切腹や斬首が行われる。 人身売買は普通に行われ些少な金額で女郎屋に売られ、 子どもはすぐに殺される。人間の尊厳はそこにあるのか? という世界を歌舞伎が描いている! 鶴屋南北がこのおどろおどろしい世界を描いている! とみんなが理解するのではないか? 講談の世界が神田伯山の登場で再度メジャーになり、 講談で読まれる陰惨で悲惨な物語がちゃんと受け入れられる時代になったことも とても素敵なことだと思う。 要するに表現は多様であればあるほど面白くなる可能性が開かれる! と思うのですがいかがでしょうか? あっという間の休憩ありの上演時間3時間15分でした。 もっと見ていたかった。 2月12日まで、その後、京都公演など全国数か所を巡演する。 #木ノ下裕一 #成河 #石橋静河 ![]() ![]() ![]() ![]()
by haruharuyama
| 2023-02-03 09:58
| 舞台
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