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「モモンバのくくり罠」iaku(@ABCホール)
大阪から東京に進出して数年以上になったiakuの久しぶりの新作公演。 作・演出の横山拓也さんは、今も大阪弁で戯曲を書かれている。 私はと言うと、39年ぶりに大阪に戻って来て暮らし始めており、 まだ大阪の暮らしに慣れていないことを感じる。 スティングの名曲で「English man in New York」というのがあるが、まさにそんな感じ。 いつもどこかに違和感を持って生きているのは私自身の性格なのかも知れない。 モモンバとはヤマンバの山が百原(ももはら)のモモに転化して生まれた言葉? 何故、そういう名前になったかと言うと、百原真澄(枝元萌)の娘(百原椛・ももはらもみじ=祷キララ)が 小学校2年くらいの頃、子どもたちに野生の獣を解体して見てもらうというイベントがあった。 母親の枝元は自ら進んで山奥の小屋を購入して そこに住み「くくり罠」の猟師として生きて行く道を選んでいる。自家菜園で野菜を育て、 自らが捕獲した鹿やイノシシを解体してその肉を頂いている。 という経歴なので「くくり罠」の名人としてそのイベントに登場して解体を子供たちに見せたのだった。 以前、千松信也さんという方が書かれた本を読んでとても興味深かったことを思い出した。 「ぼくは猟師になった」というのと「けもの道の歩き方」を拝読した。 京都の山奥に住んでまさにこの舞台で描かれているような生活をされているような家族。 NHKのドキュメンタリーでも拝見したことがあり、それが映画化もされたらしい。 https://www.magichour.co.jp/ryoushi/ 一時はこうした本を他に何冊か読んだ記憶がある。 そんな野生の暮らしを楽しんでいる母親。 しかし、その暮らしになじめず街で暮らす夫(永滝元太郎)。 娘は「普通の暮らし」がしたいと言い出し高卒後、20歳近くになって父親の住む街で暮らし始める。 モモンバこと枝元には、山の仲間みたいなおじさん(緒方晋:The Stone Age)がおり しょっちゅうこの小屋にやって来ては解体などを手伝っている。 緒方がある日、動物園で働き始めた緒方の同級生(市会議員をしているらしい) の息子(八頭司悠友)の動物園で「屠体給餌(とたいきゅうじ)」という 捕えた野生の獣の肉を動物園の動物に与える取り組みを始めるべく、解体の現場を 見たいということでこの小屋に連れてくるところからこの舞台は始まる。 もう、このお膳立てだけでとても面白そう。物語が進むにつれて彼らの関係が徐々に見えてくる。 横山拓也さんはその関係を決して表層的なだけで描かない。 これは横山作品に一貫したもの。だから一度見始めると辞められなくなるというのも事実。 私たちは何かの命を屠ってそれを喰らい生きて行かなければならない、という運命にある。 生きて行くということはそういうことで、現代社会ではその現実に蓋がされてしまい 見て見ぬふりをして暮らしていけるとうのも事実。 しかし、横山さんはその見て見ぬふりをしている現実に光をあててえぐり出す。 これはいい意味で捉えて欲しいのだが、そのココロの奥底にあるものを見続けることによって ある種の魂の浄化が起きるというのも事実。 これこそが芸術を見るということなのかも知れない。 魂の浄化が行われると言うと言い過ぎかも知れないが そんな効果が芸術には確実にある。 従って横山さんの舞台は笑えるところもむっちゃあるし、ボケ、ツッコミのやり取りも 大阪人が見ても違和感がなく描かれているという完成度の高さなども含めてむっちゃ取っ付きやすいんやけど、 その奥で描かれる物事の本質に迫っていくと言う意味では、まさに芸術の役割を担っている高い作品性を持っている。 親鸞聖人の言葉の中で「悪人正機説」というものがある。 有名な「善人なを持て往生を遂ぐ いわんや悪人をや」という言葉を聴いたことがないだろうか? 本作を見てこのことをずーっと思っていた。 グーグルバードのチカラを借りてコトバンクからこの「悪人正機説」についての説明を引用する。 「悪人正機説とは、阿弥陀仏の本願は罪深い悪人を救済することであり、 悪人こそが救済の対象であるという考え方です。親鸞の念仏思想の神髄とされています。」 ここで捕捉だが「悪人」とは「この世に生まれて来たことで命を屠り、それを喰らい生きていく」人たちのこと。 なので、そんな人たちはみな悪人である、ということが、親鸞に関する本を何冊か読んでいるとわかって来る。 この世に生まれてしまって生きているとそれは「悪人」なんや!ということ。 この考え方は立川談志師匠がいつもおっしゃっていた「落語はね、人間の業の肯定なんだよ!」 という言葉に通じているといつも思っている。 どうしようもないけど、この愛おしき世界。 そしてここで愛おしい人たちが懸命に生きているということがまさにこの舞台では描かれている。 舞台後半で夫が街中で経営するBAR「DISH」で雇われママをししている橋爪未萠里が登場して さらに芝居の面白さと緊張感が加速する。よどみのない関西弁とそこから繰り出される本音の言葉。 現実世界ではここまで「本音」を言葉にして言い合う世界ってあるんやろうか? とも思いながら関西弁で語られることでその強さが面白さのオブラートに包まれて 届けられているのかも知れないとも感じる。 横山さんが、そうしたことに自覚的かどうかはわからない。 しかしながら違和感が絶対にないだろうキャストに関西弁を語らせることで 作品を深化をすることが出来たのは事実だろう! もし時間があれば是非見て欲しい作品。 人間とは何か?そして無意識化でどのように人間はお互いに依存しているのか、してしまうのか? が見えてくる。 上演時間105分。12月10日まで。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
by haruharuyama
| 2023-12-10 08:18
| 舞台
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