「景色のよい観光地」た組(@東京芸術劇場 シアターイースト)作・演出:加藤拓也
加藤拓也の舞台を最初に見たのは、松本穂香が演じた「ぽに」(@KAAT)というもの。2021年のことだった。コロナ禍の影響がまだ強く、マスクをしての観客、出演者、スタッフとも緊張しながらの公演だった。詳細はhttps://haruharuy.exblog.jp/32477975/
実は、それ以前にNHKで「きれいのくに」というドラマをやっていてその作家が加藤拓也だった。みんなが整形をして同じ顔になっていく国のお話。男性は稲垣吾郎、女性は加藤ローサになっていく。同質性が正しいこととされ、その圧倒的な同調圧力が恐怖政治すら感じさせる世界だった。SNSにもそうした特性がある。本当のところ、今の時代、何が正しいかなんてわからない。逆に言うと全部正解!みたいな。特に、創作の世界はまさにそうである。その可能性をつぶしてはいけない。ウィキペディアでこのドラマのことをダークファンタジーと書いてあったが、本作もまさに新たなダークファンタジーの舞台。この日は映像収録があったみたいでレンズも多様に揃えられた6台のカメラが回っていた。どんな映像になるのか興味津々です。
加藤拓也の舞台はいつもヒリヒリする印象。そして身体を強く意識させられる。本作でも身体を強く意識させるシーンがあり、そのシーンがセクシュアリティを帯びていく。舞台は箱根の高級旅館が立ち並ぶ一角。そこでお茶とお菓子を出す洒落た飲食店を始めた平原テツと田村健太郎の2人。田村は毒キノコを山から採取して、食べられるように加工・料理する探索を行っている。少しくらい毒がある方が人を魅了する、というのも一つの事実なのか?アルコールやドラッグ、さらにはフグの肝などもそうした感覚の延長にあるのか?この店に集まってくる知り合いたち。安達祐実は近所の高級旅館で働いていてこの店によく来ている。さらには宮﨑秋一も同じような常連。喫茶と同時に、平原テツは元々、針治療を行うので、それが目当てでもあり通って来ている。平原が宮﨑秋一や安達祐実、田村健太郎に針治療を施すシーンがあるのだが、その様子が身体の痛いのと気持ちいいの感覚を想起させ、倒錯的なセクシュアリティを感じさせる。身体の動きと声だけでその世界観を加藤拓也は構築する。同時に田村が料理する毒キノコをギリギリ毒にならない範囲で調理してみんなが試食するのだが、その毒キノコを食べた後の感覚が、ハリ治療の針が打たれた様子とシンクロする。まさに倒錯の世界。谷崎潤一郎や夢野久作、そして江戸川乱歩などが描く、耽美で倒錯した世界が現在の話として描かれる。団鬼六が見たらどう思うのだろうか?そして、物語はさらに進展する。園子温のノワールな映画や「ヒメノワール」「オールドボーイ」などの映画などを想起させる破壊的で暴力的な展開。オーバードーズという言葉がある。精神安定剤や眠剤などを多量接種し、それらに加えてさらには咳止め薬を摂取するというようなもの。度を超すと死に至るのは同じ。しかしながら、それをやってみたい!試してみたい!というのも人間の一面。さらには、やり始めるとどんどんとそれがエスカレートして歯止めが効かなくなる。これは、依存症全般に言えることであり、依存症は実は誰にでも起こりうることなのではないか?さらには集団で何かを行うことで共同幻想が生まれることも確か。善悪の判断がずれていく。それの最悪の事例は連合赤軍でのリンチ事件などではないだろうか?自分をきちんと持つことと、人間の快楽と依存性のはざまで右往左往する人間たちを描いたもの。落語で言えば三遊亭圓朝のおどろおどろしいような噺なども思い出す。加藤拓也は現代のダークファンタジーの語り部ではないか?生成AIを使用した声がアマゾンのアレクサのようなスマートスピーカーから流れてくる。その無機的な感覚と身体性の強い感覚との対比が特徴的だった。安達祐実のボブヘアがいい!どれだけヘアトリートメントしたらあんなつやつやした髪質になるのか?髪の毛がない私は想像すらできなかった。2月1日まで。その後。札幌と大阪公演がある。詳細は以下
https://takumitheater.jp/news/id_763/
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-38400669"
hx-vals='{"url":"https:\/\/haruharuy.exblog.jp\/38400669\/","__csrf_value":"b92f592a331ff1958aa2843371c3d47ac2d5002d2bfd6bc21ccc317de6e7dfa5233329d5d542354a4a20378a0e7681489908b2d314b7aee4355a53e7935839f2"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">