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「THE GAME OF POLYAMORY LIFE」趣向(@神奈川芸術劇場KAAT大スタジオ)作:オノマリコ、演出:稲葉賀恵、監修:深海菊絵、出演:( Bチーム)
公演詳細は以下 https://shukou.org/polyamorylife/ 2026年6月3日14時公演観劇。台風6号が来ていて、この日の朝、東京地区は暴風雨だった。6月1日にギャラクシー賞の贈賞式で大阪から東京に来て、翌日は高校の同級生と飲み会だった。大阪の高校なのに結果、関東に住んでいる人が多く、半数以上が来ているのではないか?ということで久しぶりに大笑いしながらの飲み会だった。翌朝、大阪に帰る前に何か観劇をしようということで探していたらKAATでこの公演のことを見つけた。私が一番見る気になったのは稲葉賀恵さんが演出をされていることだった。稲葉さんは昨年、読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞されている。翻訳劇などを多く演出されている印象があり、社会問題やジェンダーなどの問題を扱った作品を真正面から演出されている印象がある。また、脚本を書かれているオノマリコさんも何度も名前を拝見しているということもあった。前日からこの公演の予約した方に一斉メールが送られてきており、台風のことがあるが今のところ予定通り行いますとのこと。希望者は別日に振り分けなどのことが書かれていた。私はこの日に観劇して大阪に戻らなくてはいけなかったので上演してくれるのを願っていた。早めに帰阪となると予報的に新幹線が動いてないかも?という懸念があった。結局、予定通り上演されたのだが、観客の入りが少なかったので振替などを希望された方が多かったのだろうと推測した。主催者をはじめスタッフや俳優たちは、それ以上に早く小屋入りして天候リスクなども考えながら稽古をするという本当に大変なことである。 本作は2016年に上演されたものの10年ぶりの再演らしい!私は初観劇。監修をされた深海さんは「ポリアモリー複数の愛を生きる」という著書を出されている。https://amzn.asia/d/0cd3qPrb 私はこの舞台を見るまで「ポリアモリー」という言葉すら知らなかった。調べると「複数の愛を真剣に生きるという考え方」というか「生き方」みたいなものらしい。近年、ジェンダーに関するものが多く発信されるようになった。タイでは何十種類もの性的志向があるらしい。同性愛やアセクシュアルなどの様々なLGBTQなどを扱ったドラマがたくさん放送・配信されている。そして、今回これを観て、10年前にこれが書かれたことに驚いた。ちなみに、「ポリアモリー複数の愛を生きる」が出版されたのが11年前だったことが関係しているのだろうか? 豊田エリーが笠木泉と小川ゲンと3人で住んでいる。メインとなる舞台はその家のリビングルーム。3人は同居しながら愛をお互いに育んでいる。しかも三角関係的な組み合わせ。豊田と笠木、笠木と小川、小川と豊田。男女関係なくキスをし愛を語る。本作では描かれないが性的関係も普通に生活の一部となっている。脚本が翻訳劇みたいなのが面白い。役名が、エンジェルとかムーンとかタイガーという名前だからか?折込でオノマリコさんは、こうした役名しか書かないというのが書かれていて印象に残った。そして、日本人には珍しい、彼らは思ったことをちゃんと言語化して対話・会話する。そのオープンマインドな姿がすごく印象的。豊田エリーというキャラクターがあってのことなのではないか?と私は考えた。あのキャラクターならばこうした発言があってもいいよな!と思えるのだ。彼女の発話が自然体でしかも明るく希望に満ちている、生きる意欲にあふれ、逆に落ち込んだ時には落ち込んだと声にするし決してそのことで鬱々と暗くならないのがすごい!どこかさわやかな感じが残っていくというのが本作の最大の特徴だろう、その空気感を引き出す稲葉賀恵の演出のすごさ。小道具が移動され独特な動的なバリエーションが描かれる。配置が少し違うだけで関係性の変化も感じられ、セリフがそれを強化する。3人の間に入ってくる豊田のことが好きだったアリス(阿岐之将一)が登場する。しかし豊田はアリスをそういう風には見ない。さらに元教え子(豊田は高校のたぶん美術の教員)が豊田のことが好きで告白をする。もてもて、の豊田だが、彼女なりの境界線が自分の中にある。面白かったのがタイガーとアリスが付き合うようになり、2人が別の場所で住むようになる。タイガーの不在を嫉妬心も含めて悲しむ豊田。精神的にへこんでしまい、自分でその気持ちを修正できなくなってしまう。戯曲はそれらの様子を淡々と記述する。身体が触れ合う部分ももちろんたくさんあるし、それによって演劇の得意な身体的な感覚を強く感じるのだが、それと並行して、愛すること、セックスなどの身体関係ではない心の関係のことが書かれている。それを見ていてエーリッヒ・フロムの名著「愛するということ」を思い出した。https://amzn.asia/d/03tjoCzd 私の現在は、まさにこうした後者の感覚が強くなって来ているのだと思った。2020年に前立腺がんの手術をした私は、その時から男性でも何ものでもないものになっていったのだと思う。そして、私はそれを静かに受け容れていった。そうした個人的なことも含めて、いろんな人間関係のカタチがあって良く、それらを認めて生きていけるのが良く、誰かのために何かをしてあげたい。そして明るい方へ進み楽しく今を愛おしく思いながら生きて行きたいと真剣に考えておられるオノマリコさんの言葉を豊田が宣言というカタチで語ったことで、しなやかに受け取ることが出来た。上演時間2時間。6月7日まで。 ![]() ![]() ![]()
by haruharuyama
| 2026-06-04 15:38
| 舞台
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