舞台「茶色の小瓶」かんから館 第51回公演(@THEATRE E9 KYOTO)作・演出 川村武郎 出演:MIZUKI 重田明日香 瀬戸川皓亮(劇団ケッペキ) 川村武郎 林美応(音声出演)
独特な後味が残る公演だった。第51回公演。30年近く続いているんや。その歴史は以下でご覧になれます。https://www.kankarakan.org/blank-3
私は、初観劇。作・演出の川村さんは公演中のセリフをまま信じるなら1960年生まれの66歳。私が1962年生まれなので2歳違いのほぼ同世代。なので、劇中で語られる固有名詞のほとんどがわかって、そこも共感できたのかも知れない。ある種の川村さんの一人語りみたいなものをそのまま戯曲にして、俳優が演じているような舞台。その語り口は舞台の紹介のサイトを観ればわかる。https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20260612
そして、その語り口に興味がある方はこの舞台を面白く感じられるのではないか?見て最初に感じたのは川村さんがその人生において影響をうけただろう文化が網羅的に描かれている点。これを観てなぜか宮沢章夫さんがおやりになっていた「日本サブカルチャー史」のことを思い出した。ジャック・ケルアックたちから始まったビートニクスの運動から語り始められたその番組とここで描かれている1970年代前後のカウンターカルチャー(音楽や小説、映画などなど)が、ごった煮のようにセリフとして描きだされる。通してみるとある種の美意識に貫かれているように思えるのだがいかがだろうか?その表現の幅がカウンターカルチャー的なものからどんどんと外縁に拡がっていく。AC/DCやローリング・ストーンズ、ボブディランをはじめとして、そこからバッハの楽曲やアンジェラアキの「15歳の手紙」そしてフォーククルセーダーズの「悲しくてやりきれない」(さすが京都!)さらには、題名となった、茶色の小瓶などのオーソドックスなジャズまでをも包含されていく。いい意味でとりとめのない拡散型のお話。それらの断片をつなぎ合わせて構成されている。母親役の俳優の芝居がずばぬけていた。発声や歌も含めて。この劇場は音が良く聞こえて完全暗転とともに、本当にちゃんとしている。
と、同時に描かれているのは老いについてのこと。60代も半ばになると「老い」とどう向き合うかが問われてくる。この日、たまたま「ライフシフトの未来戦略 幸福な100年人生の作り方」アンドリュー・スコット/著(@東洋経済新報社)を読んでいて、まさにどのように適切に長寿社会と向き合っていくか?ということが書かれていた。その中で、人生の幸福度は若いときからだんだんと下がっていき50歳前後で幸福感は最低となりその後、上がっていくというデータが示されていた。本作品では27歳と72歳が対比的に語られる。若者と老人は実はとても革新的で幸福な世代なのではないか?自分に置き換えてみても部長職をしていた40代後半は、あれで良かったのか?自分に嘘をついていたのではないか?そのことを組織の役割として部下たちにも本当に思うことを言っていたのだろうか?みたいなことを今も思い出す。加藤周一が某大学で講義したドキュメンタリー映画を見たことがあり、その時に加藤周一が学生に向けて言った言葉が忘れられない。https://www.ghibli.jp/kato/
社会をより良く純粋に変えられるのは、あなたたち若い学生と私のような年寄りなのかもしれません!と世間のしがらみから解かれ、何が幸福か大切か?ということが問い直され。もう一度、誠実に生きるために進むというのが「老いるショック」から離脱するひとつの方法ではないか?などと夢想する。本公演はそんなことを思い出させてくれるのだった。ところで固有名詞にピンとこない人はこの舞台をどう捉えるのだろう?と引いた視点からの私は思うのだった。上演時間85分。6月14日まで。
https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20260612
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-38634625"
hx-vals='{"url":"https:\/\/haruharuy.exblog.jp\/38634625\/","__csrf_value":"d206c8a96ba9a44cf170315f89ffa33507f081a79a39fc38d90adbd852fb7ce25e7add1e783919b289ec90856df2b18211ddbc9d8742783c53ecb0d1759e84d3"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">