東京フィルメックス映画祭、クロージング上映。
コンペティションは最優秀作品賞
「天国へ行くにはまず死すべし」(監督:ジャムシェド・ウスモノフ)
(タジキスタン / 2006 / 35mm / Color)に決定した。
日本での公開が、楽しみである。
17時10分からこれらの授賞式が行われた。
アニエスベー観客賞はイラン映画「オフサイド」。
プレゼンテーターのロラン・グナシアの格好が奇抜で洒落ていた。
彼は、マルセイユ生まれのフランス人である。
あのジダンもマルセイユ出身。
そういえば、アニエスベーが
ジダンのドキュメンタリー映画の協賛をしていたことを思い出した。
本作品は台湾の映画監督、ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)。
「愛情万歳」「河」「落日」「西瓜」など聞いた事のある作品があるのだが、未見だった。
今回初めて、彼の映画を見た。
独特な感覚と空気感。美しいのか美しくないのかわからない。
ペドロ・コスタの映画「ヴァンダの部屋」を何故か思い出していた。
これは、ツァイ・ミンリャンの生まれ故郷、マレーシアで撮影されたらしい。
暑そうな、屋台からこの映画は始まる。
全編を通じて、暑苦しさと、湿り気と、閉塞感に覆われている。
あれあれ?マレーシアって本当はそんな国なのか?
とイメージがガラガラと崩れていくような気になった。
しかし、その中で人間は生きて、愛し合う。
それは男も、女も同じこと。
英語のタイトルが監督のメッセージをストレートに伝えてくれる。
「I Don’t want to Sleep Alone」
なるほど。
暴力を受けて、ボロボロになった男が介抱されるシーンと
寝たきりの男性が家族に介護されるシーンが象徴的に繰り返される。
しかもその男は一人二役。
解説を読むまでは一人二役とわからなかった。
男を演じた、リー・カンション(李康生)の勝利である。
美しいクラシック音楽が、汚れきった現実に希望を与える。
モーツアルトの「魔笛」?