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青年団の舞台は、どこか凛としている。 観ている僕たちが居住まいを正して見るような雰囲気がある。 それは、威圧的なものではなく、 自らキチント向き合うということが彼らの舞台を観るのに 一番気持ちがいいことだからということを知ってしまっているから。 そこで行われている何気ない会話を、微笑ましく見つめ続ける。 そして、観続けること自体が心地よいものになり、 その淡々としたなかに身を任せて行きたいと思うようになる。 そんな雰囲気がある。 うまく言えないが、何度か「青年団」の舞台を体験した方なら、 理解してくれるような気がするのだが?どうでしょう? 僕が「ソウル市民」を初めて見たのが、1998年のシアタートラム公演だった。 そして2000年に同じシアタートラムで「ソウル市民1919」の公演を観た。 三部作の最後として、今回「ソウル市民・昭和望郷篇」が新しく書かれた。 この三本を連続で上演しようという試みに畏敬の念を覚えた。 3部作で約5時間半の公演。 この三部作にほぼ全ての青年団の役者が出演しているそうだ。 最終日に、三部作を一気に観た。 舞台を1日三本観るというのは、初めての経験だった。 三本観終わるとヘトヘトになる。まるで、長距離走をしたみたいに。 しかし、同時に、三部作を一挙に見ることによって、 いろいろと集中して考えることも出来た。 青年団の役者のひとりひとりに向き合えることも貴重な体験だった。 三部作は、1909年、1919年、1929年の京城(現在のソウル)で 商売をやっている日本人、「篠崎家」の居間で展開される。 ここは裕福で、篠崎商店は大きな文具屋さんでもある。 女中を抱え、日本人女中だけでなく、朝鮮人の女中たちも働いている。 そこでの日常からあぶりだされる家族の関係や、 植民地化している日本人たちの無意識の差別意識。 差別は意識されなければされないほど罪深くなる。 そして、何も言わず静かに仕事をこなしている 朝鮮人の女中たち。ここから様々なことが読み取れる。 一度観ただけでは、その様々なことは少ししかわからない。 また、歴史認識をもっていないと、なかなか理解できないところがたくさんある。 青年団は今回の公演で無料のパンフレットを配ってくれた。 これが有難い! 歴史認識や物語の理解を助けてくれるものとして非常に有難かった。 しかも、無料で見に来た方全員がもらえる。 1910年に日韓併合。 1919年三月一日に行われた「朝鮮三・一独立運動」。 関東大震災の五年後、1929年。この年に始まる世界大恐慌。 などなど。 こういったことが篠崎家の居間の外では同時並行的に起きている ということを想像することが、この舞台を見る上でとても重要な要素になってくる。 しかし、舞台ではそのことは語られない。 もちろん、語る必要などない。 観客は舞台を見た後に、反芻するように何度も考え、 パンフレットを読んだり、自分で調べたりしながら、 自分ならではの「ソウル市民」を作っていくことになるだろうから。 それが舞台を観るということの楽しみのひとつなのかも知れない。 平田オリザが常々語っている。 ドラマチックな出来事は舞台の外で起きている。 それを描くのが僕の演劇であると。 まさにそれを確信させられた三部作であった。
by haruharuyama
| 2006-12-26 08:46
| 舞台
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Comments(2)
「ソウル市民・昭和望郷篇」ですが、僕もプレスリリースやらなにやらで三部作の“完結編”として認識して見に行ったのですが、当日のパンフレットにあった平田オリザのコメントには、完結編という言葉はひとつもなく、それどころか「今後『ソウル市民』の続編を書くとしたら」云々という発言があって、まだ篠崎家の物語は続くのか?と思いました。終演後に平田氏に直接確認しておけばよかった。
続編が出来るといいですね!期待してます!
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