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いつも青年団の舞台を見ると、優しい、おだやかな気持ちになる。 多分、西伊豆だろうか、の旅館のロビーが舞台になっている。 驚くのは、この戯曲が12年前に書かれたということ。 平田オリザは何と30代前半にしてこのような老成、 いや成熟した戯曲を書く事が出来たんだ! こんなにも大人な人情の機微を丁寧に描くことは 50代、60代になっても難しいだろうなあと思っていたのに、 まるで戦前の知識人のような成熟さである。 その12年前の戯曲を40代後半になった平田オリザが もう一度、舞台にしようと思ったのはどういう意図があったのだろうか? 平田は折込のキャスト表の中で語っている。 この12年で、私にいくらかの成長があったとすれば、 それは、すべての人は心に修羅を宿しているという、 ごくごく当たり前の、理屈では分かっていたことを、 様々な局面で骨身にしみて実感できたことでした。 年をとるのも捨てたもんじゃない。 そうして、この再演が決まったらしい。 年齢を重ねることによって本当に いろいろなことが降りかかって来る、というのはよーくわかる。 平田オリザと同世代の僕は痛いほどの実感である。 同じく、同世代のKERAも「わが闇」で、 人生のひとつの山を越えると、また次の山が 来るというようなことを言っている。 「わが闇」も作家の父親が居る、三姉妹のお話だった。 同時期に、同世代の劇作家が同じようなモチーフの舞台をやり、 その印象や後味がまったく違うものになる。 そのエンゲキの作家の多様性みたいなものを 強烈に意識することになった。 しかも、どちらも演劇的に非常に 優れた舞台として長く記憶に留まるだろう。 志賀廣太郎演じる小説家は 西伊豆かと思われる旅館に長逗留し作家活動をしている。 彼は三姉妹の娘を持つ父親である。 父親は早くに妻を亡くし、娘たちから逃れるようにして、この旅館に住む。 三女はいろいろと思うところあって父親を訪ねる。 長女と次女がそれを追いかける。 父親の新しく妻になる女性がたまたまそこに居合わせる。 きまずいような、また、それを 受け容れようとするような優しい空気が流れる。 同じ宿に、30代前半の高校のクラブの同期会の面々もやってくる。 ボート部で死んだ友人の13回忌でもある。 謎の一人旅の男に、謎の女が訪ねてくる。 旅館の女将や番頭さんがそこにからむ。 父親である、作家先生のところに原稿を取りに来た編集者。 彼らの様々な関係性と交わされる会話から 彼らの人としての機微を掬い取っていく作業を観客たちは求められる。 その作業が年をとることによって、 変わっていくんだろうなあと感ずるのである。 また12年後に、この舞台が再演されたら また違った印象を持つに違いない。 「青年団」の舞台は年配のお客さんも良くいらっしゃる。 世代を超えた何かがここにあるに違いない。
by haruharuyama
| 2007-12-30 09:07
| 舞台
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