江東区の建てた、深川江戸資料館は清澄白河にある。
まさに深川である。落語で大川を越えて深川へ。
などという言葉が出てくる深川である。
さん喬を聴く会の記念すべき100回目の公演に
たまたま行くことになった。
さん喬の会を調べているとたまたまこの公演にあたり
チケットを入手できたのだった。
江戸資料館の周辺はお土産ものやさんと
深川めし(あの浅利が入って醤油で炊き込んだご飯。)を
食べさせるお店が何軒かある。
駅から少し離れているので人も少なくていい感じである。
本日は午後6時から何と9時半までみっちり
さん喬一人で落語を何席もやってくれた。
これも100回という記念の会だったからだろう。
さん喬は小さんの弟子だそうである。
この公演で、さん喬は小さん師匠との思い出を語りながら
何席も連続して落語を演じることに挑戦した。途切れないのである。
仲入りまで2時間ノンストップで噺が続いた。
最初に小さん師匠に稽古をつけてもらった思い出の
「道灌」から。その後「権助芝居」「変わり目」「締め込み」と来て
「三途の川を舞台にした新作落語」仲入り前のトリに「幾代餅」。
さん喬の語りはどれもオーソドックスで奇をてらわない。
そのオーソドックスさから生まれてくる渋みがいい。
今回は100回記念として入場者には全員、
さん喬師匠の「きんちゃく袋」をもらう事ができた。
そして仲入り後に二席。
一席目は「ねずみ」のショートショート版。
最後に「八五郎出世」またの名を「妾馬」というらしい。
以前、志の輔の演じたものを聞いたことがあるが、
人物の解釈や描写がまったく違うので面白い。
これが落語の大きな魅力だろう、と思った。
同じ噺を語っても語り手によってまったく違う印象になる。
演出違い、キャスト違いのものを見るような感覚である。
この「さん喬を聴く会」はこの100回目で一区切りをつける。
11月に一門会をやっておしまいにするそうである。
来年からは「さん喬独演会」と名前を変えてやり続ける。
やることは同じ。