筆者の高嶋健夫は1956年生まれ。
早大卒業後、日本経済新聞社に入社。
1999年にフリーランスへ。43歳のときである。
時はバブル崩壊して十年後、軽度の視覚障害になったことと
退職されたことは何か関係があるのだろうか?
このTYOについての本を何故、高嶋は書こうと思ったのだろうか?
本書は優れたTYOグループの会社案内として読む事が出来る。
TYOグループに入りたい学生や、TYOに投資しようかと
お考えの株主の方に読んでいただくのに
こんなにわかりやすい資料はないのでは?と思った。
しかし、本書が発売されたのが2006年の10月である。
あれから約二年でTYOはさらに拡大を続けている。
こういったビジネス書は鮮度が命ということが良く言われるが
なるほど、そうである。
ここには書かれていない、会社が増え、それが活躍している。
1ST AVENUEやレモンカンパニー、そして大きなところでは、
円谷プロの買収。CGのルーデンスの買収など。
TYOグループの特徴としてコンテンツ制作会社のグループ
というところは一貫している。
それが広告を中心とするもの
WEBを中心とするもの
キャラクターアニメやCGもの
ゲームソフトの開発、
それに必要な撮影機材や特殊撮影の会社、ライト機材の会社、
ポストプロダクションなど。
このグループ全てでコンテンツ制作が全て出来るという点では、
東北新社グループ、電通テック、
などがそれにあたるのだろう。
撮影部まで含めて自社でやりくりすることが出来るグループはそう多くはない。
しかし、そういったグループがいくつかあって、
その競争の中からしのぎを削って新しいコンテンツメーカーに
お互いが成長していく関係はある意味、健全な環境であるとも言える。
これが、TYOグループの独占であれば、
業界のガリバーになってしまうのかも知れない。
しかし、コンテンツメーカーたちが共同して
お互いに高度な知を共有することによって
日本のプロダクションカンパニーのレベルが上り、
国際競争力を身につけることになればこんなに嬉しいことはない。
そういった刺激を与えてくれるという意味でも、
本書を読むということはいい経験になる。
ものすごい勢いで読んだ。
2時間で読了。
読了後ハーフマラソンを疾走したような心地よい脳の疲労感に襲われた。
勝間和代が本を月に30冊以上読んでいるらしい。
彼女の出演した「情熱大陸」を見て、
ああ、こうやって本を読み続けることから
何か生まれてくるのかも知れないなあと思って、
今年は意識的にビジネス関連の本を読んでいる。