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先日、トップランナーに永作博美が出演した。 今回の、この舞台のことと本谷さんのことについて永作さんが語っていた。 本谷さんはものすごい集中力と持続力で俳優に向かうのだそうだ。 そのエネルギー量がすごいので永作さんも付いていくのが大変だと 語っていらしたのが印象的だった。 本谷さんはリハーサルをしていても自分のイメージではない場合は 平然ともっとこうしてくださいと言う人なんだなと伺った。 それだけ自分の中に、あるイメージがあって それを再現していきたいと思ってやっているんだろう。 いままでの永作博美のイメージをぶち壊して、 ぶっ壊れた女を演じるということにトライしたいと 本谷さん自身もその番組の中で語っていた。 それくらいガチンコで稽古をした舞台。 トップランナー効果と本谷有希子自身効果で前売りは完売。 3週間公演では、いまも、毎日稽古が繰り返されているそうである。 新たな役を、新たな自分を獲得するのは、それくらい大変なことであり、 高い志を持ってなんとかしようとしている姿に頭が下がる。 では、その舞台はどうだったのか! アバンギャルドである。舞台自体が壊れている。 出演している人も全てどこかが壊れている。 壊れている人たちが舞台でイキイキとしている。 それを見て普通の感覚ならどう思うのだろうか? 見ていて明らかに引いてしまう人もいるかもしれない。 必然性とかリアリティとかがないという意見もあるだろう。 しかし本谷さん自身も言っているように、 リアリティがない中で喋ることから 何か新しい型みたいなものが出てくるかもしれない という意味のことを聞いたことがある。 まさに、その実験がこの舞台では繰り返されている。 多くの人にわかりやすいものになったかどうかはわからない。 しかし、このような試みを行っている人はそう多くないだろう。 その試みをパルコ劇場でやり、パルコの演劇だからと言ってやってくる人々を、 いい意味で裏切ることが面白い。 本谷さんは確信犯としてこれを行ったのだろうか? 青山円形劇場などから続く「本谷ワールド」は 本質的なところは実はそんなに変わらない。 近親相姦、家族の軋轢、不貞、壊れたキャラクターの人々。 それらが相互にかみ合っていくのかと思ったら かみあわないで空回りする。 というようなイメージなのである。 チラシにも書かれているが、 たまたま目に入った家に飛び込んで「愛人です」と奥さんらしき人に言うのが好きだ。 奥さんが旦那さんに確認しようとしたら、 「あの男はどうせ私のことなんか知らないって言うに決まってる」と 先に言ってやるのが好きだ。 と。 ある新聞販売店が舞台になっている。 そこに「愛人です」と言って永作博美がやってくる。 再婚した妻の広岡由里子は、そのことについてあまり驚かない。 販売員で同じく奨学金をもらいながら 住み込みで配達している吉本菜穂子は、 実は旦那(梶原善)との愛人生活を営んでいる。 彼女は住み込みの初日にその旦那に犯されていた。 兄(近藤公園)と妹(前田亜季)は血がつながっておらず、 兄は妹に対して近親相姦的な感情を持っている。 妹はもてない兄にパンツを見せてあげることで二人の関係は 微妙なバランスの上で成り立っている。 この壊れたキャラクターたちが繰り広げることが まるでコントになってくる。 それがこの舞台の不思議なところである。 いたたまれない気持ちになるだけではない このヒリヒリした中での「救いの感覚」は本谷さんの持つ本質である。 小説を読むとその本質がますます、明確になる。 日本国民の4大義務として「労働。教育。納税」のほかに 「ぜつぼう」と言う言葉を挙げる。 そしてその「ぜつぼう」の中に一筋の希望を見い出すことが出来るのが 本谷さんらしさである。 現実に起こっている、衝動的無差別殺人の暗喩がこの舞台の底流に流れ続けている。 秋葉原の殺傷事件、以前の大阪の教育大付属池田小学校の事件。 誰でもよかった、という不条理な中で事件は犯罪は起きる。 市井の人々はそれを不条理のまま受け取るしかない。 それが現実である。 世界に目を向ければそんなことは日常茶飯事に起きている。 そんな現実を戯画化して舞台に提示されたのが、 この舞台であるとも言える。
by haruharuyama
| 2008-11-06 08:09
| 舞台
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