石川さんはアニメ製作会社、プロダクションIGの社長。
IGと言えば押井守監督作品で有名。
最新作は「スカイ・クロラ」。
1958年東京生まれ。最初、「竜の子プロ」にいらしたそうである。
「ハクション大魔王」のあの「竜の子」である。
いまや、世界的に有名なアニメーション製作会社となった。
1987年30歳くらいで独立。
2005年JASDAQに上場。起業して上場するということをやり遂げた
アニメーション製作会社は本当にまれな存在だろう。
石川さんはアニメ好きのヲタクな部分もあるのだろうが、
お話しを聞いていると、ビジネスをきちんと語る人であることが良くわかる。
プロデューサーであり会社経営者であるとはそのようなことかもしれない。
石川さんがおっしゃっていた言葉は今でも僕たちに届く言葉であると思った。
「笑われて、偉くなる。叱られて、賢くなる。叩かれて、強くなる。」
いくつになってもこの言葉を忘れずに逆境を乗り切っていく精神が大切だと思った。
また自らのプロデューサーとはということについてもお話をされた。
プロデューサーは足し算である、と。
監督は引き算かもしれないともおっしゃる。
現実を目の当たりにして、監督の頭の中にある理想から
引き算をしていくものなのか?
プロデューサーは何とか足し算をしながら土台を支えていくもの。
環境を整備するのがプロデューサーの仕事であると良く言われるがまさにそうである。
ワークデザインがそこには必要とされる。
また、人前でプレゼンテーションするという能力も問われる。
石川さんは「突然、人前で喋る瞬間が来たときに、準備できているかどうか。」
が大切であるとおっしゃりながら客席に居る人を指名して話を引き出したりしていた。
プロダクションI.G.で製作されている様々なコンテンツを紹介しながら
トークは続いていく。
その後、ゲストとして三池崇士監督が会場へ。
三池さんのアバンギャルドさは映画に向いていると思ったし、
意外にシャイで周囲に気を使われるのが
あの風貌からは想像できなくてびっくりした。
しかしながら、多くのものづくりをする人たちの気遣いは
尋常ではないものがあるなあと思った。
そういうことがわからないと、きちんとしたものづくりは出来ないのかもしれない。
石川さんは最後におっしゃった。
彼は今、50歳である。
歳をとるということは素敵なことであると。
そして50歳代でカッコいい男になりたいと。
石川さんの50代は、今年始まった。