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KERAの静かな傑作が誕生した。 昨年の「奥様お尻をどうぞ」に続く1年ぶりの新作戯曲である。 (ただし「奥様…」は、映画用の台本を脚色したものらしい。) 初日観劇。 脚本が上がるのが遅れに遅れていたらしく、 初日に見るんですかあ!と少し脅されていたが、何のことはない、 蓋を開けたら素晴らしい戯曲と演出だった。 そして、いつもの安心感のある俳優が人生の機微をゆるやかに演じる。 犬山イヌコ演じるティルダとその友人コナ(峯村リエ)を中心とした 百年とはいかないが百年近くの物語。 大きなお屋敷の庭とお屋敷の中のリビングが本作の舞台となる。 照明と小道具だけで、ここはお屋敷の庭であるのか リビングであるのかを見分けなければならないので 観劇に慣れていない人は多少とまどうかもしれない。 また時間軸が移動するのでそれを考えながら見なければいけない というところも観客に負荷がかかる。 が。が、それを乗り越えると大きな感動がやってくる。 エンディングに向かってその感覚は徐々に徐々に醸成されてくる。 オープニングのタイトルバックが今回はいつも以上に凝っている。 いま、はやりのマッピングプロジェクションという技法が使われている。 一度、この舞台を俳優とともに撮影しそこにタイトルを入れ画像効果を入れる。 今回一番面白かったのは扉の使用法である。 扉が動き、その動きが決まったところでタイトルが5枚の扉に映し出される。 時間軸の中で移動していくので 舞台の上で扉を操作するのも大変である。 またマッピングプロジェクションは立体物に対して きちんとしたパースで投影される。 その仕組みはわからないが、その壁の傾きやでこぼこに合わせて フォーカスがきちんとくるように計算されているのである。 いままではフラットなスクリーンで ある1点にフォーカスを合わせるだけだったのが、 こうして新たな効果が加わった。 この技法は広告の世界でも使われ始めており、 特に海外の事例は面白くクリエイティブオブカンヌ(旧カンヌ広告祭)でも 何度か受賞しておりOOH(OUT OF HOME)と言われるアウトドアメディアの 一つの技法として確立している。 日本でも最近、何度か使用されている。 成蹊大学の何周年記念かの昨年に行われたイベントは記憶に新しい。 そのマッピングプロジェクションのタイトルバックが終わり舞台は始まる。 お屋敷の庭には大きな楡の木があり。 精霊のように何百年もこのベイカー家の人々とそれにまつわる人々を見続けている。 読後感がチェーホフやイプセン劇のようだった。 人間の愚かしさや欲望や高潔さや純粋さなどが ごっちゃになって描かれる。 ティルダとコナの高校生から80歳代になるまでの物語を 一度構成してその時間軸を分断していったのだろうか? 時間などが飛ぶ複雑さを救うのが このお屋敷のメイドをしている長田奈麻の語りである。 彼女が観客に向かってまずは登場人物を説明し、 そして各シーンの舞台となる時間を説明する。 これがあることで随分観客は物語の理解が助けられる。 そして、彼らの人生の中でそれぞれの事件が起こり、 そのことが何十年か経ったときに影響する。 そんなことをKERAは丁寧な演出で淡々と描く。 出演俳優たちを知り尽くした上でホンが書かれたのだろう。 台詞がその俳優の言葉になろうとしているし、 それを聞いているととても気持ちいい。 KERAの笑いを抑えた今回のような傾向の作品が こうして素晴らしい成果を上げるのも KERAやナイロンの俳優たちが年齢を重ね成熟してきたことと無関係ではないだろう。 時間が経てばたつほど成熟していくのは演劇のとても魅力的なところ。 演劇人には会社員のような定年はない。 これからもいつまでもこうした舞台を作り続けていって欲しい。 観ていてなぜか、小津安二郎の映画のことを思い出した。 出演俳優総勢19名。5月20日まで。休憩入れて3時間20分。 ▲
by haruharuyama
| 2012-04-23 08:50
| 舞台
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