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「THE GAME OF POLYAMORY LIFE」趣向(@神奈川芸術劇場KAAT大スタジオ)作:オノマリコ、演出:稲葉賀恵、監修:深海菊絵、出演:( Bチーム)
公演詳細は以下 https://shukou.org/polyamorylife/ 2026年6月3日14時公演観劇。台風6号が来ていて、この日の朝、東京地区は暴風雨だった。6月1日にギャラクシー賞の贈賞式で大阪から東京に来て、翌日は高校の同級生と飲み会だった。大阪の高校なのに結果、関東に住んでいる人が多く、半数以上が来ているのではないか?ということで久しぶりに大笑いしながらの飲み会だった。翌朝、大阪に帰る前に何か観劇をしようということで探していたらKAATでこの公演のことを見つけた。私が一番見る気になったのは稲葉賀恵さんが演出をされていることだった。稲葉さんは昨年、読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞されている。翻訳劇などを多く演出されている印象があり、社会問題やジェンダーなどの問題を扱った作品を真正面から演出されている印象がある。また、脚本を書かれているオノマリコさんも何度も名前を拝見しているということもあった。前日からこの公演の予約した方に一斉メールが送られてきており、台風のことがあるが今のところ予定通り行いますとのこと。希望者は別日に振り分けなどのことが書かれていた。私はこの日に観劇して大阪に戻らなくてはいけなかったので上演してくれるのを願っていた。早めに帰阪となると予報的に新幹線が動いてないかも?という懸念があった。結局、予定通り上演されたのだが、観客の入りが少なかったので振替などを希望された方が多かったのだろうと推測した。主催者をはじめスタッフや俳優たちは、それ以上に早く小屋入りして天候リスクなども考えながら稽古をするという本当に大変なことである。 本作は2016年に上演されたものの10年ぶりの再演らしい!私は初観劇。監修をされた深海さんは「ポリアモリー複数の愛を生きる」という著書を出されている。https://amzn.asia/d/0cd3qPrb 私はこの舞台を見るまで「ポリアモリー」という言葉すら知らなかった。調べると「複数の愛を真剣に生きるという考え方」というか「生き方」みたいなものらしい。近年、ジェンダーに関するものが多く発信されるようになった。タイでは何十種類もの性的志向があるらしい。同性愛やアセクシュアルなどの様々なLGBTQなどを扱ったドラマがたくさん放送・配信されている。そして、今回これを観て、10年前にこれが書かれたことに驚いた。ちなみに、「ポリアモリー複数の愛を生きる」が出版されたのが11年前だったことが関係しているのだろうか? 豊田エリーが笠木泉と小川ゲンと3人で住んでいる。メインとなる舞台はその家のリビングルーム。3人は同居しながら愛をお互いに育んでいる。しかも三角関係的な組み合わせ。豊田と笠木、笠木と小川、小川と豊田。男女関係なくキスをし愛を語る。本作では描かれないが性的関係も普通に生活の一部となっている。脚本が翻訳劇みたいなのが面白い。役名が、エンジェルとかムーンとかタイガーという名前だからか?折込でオノマリコさんは、こうした役名しか書かないというのが書かれていて印象に残った。そして、日本人には珍しい、彼らは思ったことをちゃんと言語化して対話・会話する。そのオープンマインドな姿がすごく印象的。豊田エリーというキャラクターがあってのことなのではないか?と私は考えた。あのキャラクターならばこうした発言があってもいいよな!と思えるのだ。彼女の発話が自然体でしかも明るく希望に満ちている、生きる意欲にあふれ、逆に落ち込んだ時には落ち込んだと声にするし決してそのことで鬱々と暗くならないのがすごい!どこかさわやかな感じが残っていくというのが本作の最大の特徴だろう、その空気感を引き出す稲葉賀恵の演出のすごさ。小道具が移動され独特な動的なバリエーションが描かれる。配置が少し違うだけで関係性の変化も感じられ、セリフがそれを強化する。3人の間に入ってくる豊田のことが好きだったアリス(阿岐之将一)が登場する。しかし豊田はアリスをそういう風には見ない。さらに元教え子(豊田は高校のたぶん美術の教員)が豊田のことが好きで告白をする。もてもて、の豊田だが、彼女なりの境界線が自分の中にある。面白かったのがタイガーとアリスが付き合うようになり、2人が別の場所で住むようになる。タイガーの不在を嫉妬心も含めて悲しむ豊田。精神的にへこんでしまい、自分でその気持ちを修正できなくなってしまう。戯曲はそれらの様子を淡々と記述する。身体が触れ合う部分ももちろんたくさんあるし、それによって演劇の得意な身体的な感覚を強く感じるのだが、それと並行して、愛すること、セックスなどの身体関係ではない心の関係のことが書かれている。それを見ていてエーリッヒ・フロムの名著「愛するということ」を思い出した。https://amzn.asia/d/03tjoCzd 私の現在は、まさにこうした後者の感覚が強くなって来ているのだと思った。2020年に前立腺がんの手術をした私は、その時から男性でも何ものでもないものになっていったのだと思う。そして、私はそれを静かに受け容れていった。そうした個人的なことも含めて、いろんな人間関係のカタチがあって良く、それらを認めて生きていけるのが良く、誰かのために何かをしてあげたい。そして明るい方へ進み楽しく今を愛おしく思いながら生きて行きたいと真剣に考えておられるオノマリコさんの言葉を豊田が宣言というカタチで語ったことで、しなやかに受け取ることが出来た。上演時間2時間。6月7日まで。 ![]() ![]() ![]() #
by haruharuyama
| 2026-06-04 15:38
| 舞台
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「どっか行け!クソたいぎい我が人生」ぱぷりか 第9回公演(@三鷹市芸術文化センター星のホール)作・演出:福名理穂 出演:渡辺真起子、松下太亮、仲美海(劇団4ドル50セント)、松尾 潤、岡本 唯(ぱぷりか)
初演は2022年の12月に今はなき「こまばアゴラ劇場」だった。当時のレビューは以下 https://haruharuy.exblog.jp/32891846/ それを見ると上演時間が100分だった。今回の公演は125分となっているのでどこかを加筆されたのだろう。そして、キャスティングも変わっているので、再演とは言えとても新鮮な感じで見ることが出来た。俳優たちのものすごい集中力が伝わってくる。とはいえ芝居はあくまで自然体。広島の郊外にあるシングルマザー(渡辺真紀子)と大学3年の娘(仲美海)の家のリビングが主な舞台となっている。みていて、仲さんの芝居を観ていて、私は今年の助演女優賞の心のベストテン第1位はこの方かも知れない!と思えるのだった。それくらいこの母子の関係が面白かった。渡辺真紀子の芝居は言うに及ばない。その高いレベルに合わせて仲が自然体で身勝手でもある母親を受け容れていく様子がとてもいい。そこから見えてくるのはこの親子の共依存関係のような姿。母親は娘の為を思ってという前提ですべてのことが行われる。スピリチュアルなものを信じたりすることも、そしてそれを実行することもすべて娘のためを思って!という前提で行われる。娘はその気持ちはわかっているのだが、同時に違和感ももっておりその間で葛藤する。仲さんを観ていてドラマ「エラー」で志田未来とW主演だった畑芽育と似ているなあ!と思って見ていた。目の大きさや細やかな黒目の移動だけで感情の変化が見えてくる。三鷹市芸術文化センター星のホールの中を自在に改造し、ものすごく近い距離で親密感を出す工夫がされているからこそ。そしてこの劇場は伝統的にそれを積極的に行っている。なので、初演のこまばアゴラ劇場の公演よりも大きな劇場なのにより濃密で深みのある芝居を見ることが出来た。母親は何年も前に別れた夫が娘を連れ去りに来るのではないか?という不安を根源に抱えていることが見えてくる。そのそこはかとない不安が彼女をスピリチュアルな方向に向けていく。占いを信じるというシーンが何度も登場するのだが、常に心の中の不安に動かされ心が揺れ動く。娘は一緒に暮らしながらそれを空気として感じている。しかしながら娘が本当に思っていることはなかなか言葉にはされない。個人的に印象的なシーンがあった。娘が何をやりたいのか?ちゃんと言って!と母親が問いかけるシーンがあるのだが、その時に「まるきゅうに行きたい」(渋谷の109のこと)という場面。娘の純粋さとそれを言うことにどれだけ勇気がいったのか?みたいなことを想像する。そして私の姪っ子が今、高校3年なのだが、まさにその姪っ子みたいだな!と思って見ていた。発声などが本当に今どきの若者。仲自身が24歳であるということもあり、そのままで演じているのか?福名さんと綿密な役作りが行われていたのか?はわからない。しかし、あのシーンは本当にいろんなことを包含したものに私は思えた。全編、広島弁で行われ地元のスーパー「フジ」などの名前や地名も登場する。私は広島のことはそんなに知らないが、その地元のリアルな固有名詞が出てくることもとてもリアリティがある。そして、この親子に絡んでくる母親の弟とその妻。優しい弟は姉の激しい性格とかを知っていて、それとは真逆の性格という設定がまた興味深いものにしている。そして母親が働いているスーパーの精肉売り場のバイトの男の子(松尾潤)がまた今どきでいい!今泉力哉監督の映画を見ているような。こうした会話の感じが本当に今どき。若いバイト君と娘の会話などがドラマ「ひらやすみ」にも似た感じでゆるやかでナチュラル。それと対比するかのような母親の不安な芝居が対比的に描かれる。福名さんはそれぞれの正義がということを書かれていたが、それぞれがそれぞれとして懸命に生きていることをこうした語り口で伝えるということに感心・感動する。そして、最後、収束に向けて、いろんな課題を回収していき晴れやかな気分で終わらせたのは福名さんの祈りにも似た思いなのか?いろんな国が自分たちの正義をかざして戦争をする、身近なところでは自分たちの信念や正義をかざして言い争ったりする日常が現実でもある。では、そこで私たちはそのことについてどう考えるの?と福名さんに私たちは突きつけられているのだろうか?そうして、考え続けるきっかけをくれることはまさに芸術や演劇の面白いところです。上演時間2時間5分。6月7日まで。 ![]() #
by haruharuyama
| 2026-06-03 09:45
| 舞台
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「どっか行け!クソたいぎい我が人生」ぱぷりか 第9回公演(@三鷹市芸術文化センター星のホール)作・演出:福名理穂 出演:渡辺真起子、松下太亮、仲美海(劇団4ドル50セント)、松尾 潤、岡本 唯(ぱぷりか)
初演は2022年の12月に今はなき「こまばアゴラ劇場」だった。当時のレビューは以下 https://haruharuy.exblog.jp/32891846/ それを見ると上演時間が100分だった。今回の公演は125分となっているのでどこかを加筆されたのだろう。そして、キャスティングも変わっているので、再演とは言えとても新鮮な感じで見ることが出来た。俳優たちのものすごい集中力が伝わってくる。とはいえ芝居はあくまで自然体。広島の郊外にあるシングルマザー(渡辺真紀子)と大学3年の娘(仲美海)の家のリビングが主な舞台となっている。みていて、仲さんの芝居を観ていて、私は今年の助演女優賞の心のベストテン第1位はこの方かも知れない!と思えるのだった。それくらいこの母子の関係が面白かった。渡辺真紀子の芝居は言うに及ばない。その高いレベルに合わせて仲が自然体で身勝手でもある母親を受け容れていく様子がとてもいい。そこから見えてくるのはこの親子の共依存関係のような姿。母親は娘の為を思ってという前提ですべてのことが行われる。スピリチュアルなものを信じたりすることも、そしてそれを実行することもすべて娘のためを思って!という前提で行われる。娘はその気持ちはわかっているのだが、同時に違和感ももっておりその間で葛藤する。仲さんを観ていてドラマ「エラー」で志田未来とW主演だった畑芽育と似ているなあ!と思って見ていた。目の大きさや細やかな黒目の移動だけで感情の変化が見えてくる。三鷹市芸術文化センター星のホールの中を自在に改造し、ものすごく近い距離で親密感を出す工夫がされているからこそ。そしてこの劇場は伝統的にそれを積極的に行っている。なので、初演のこまばアゴラ劇場の公演よりも大きな劇場なのにより濃密で深みのある芝居を見ることが出来た。母親は何年も前に別れた夫が娘を連れ去りに来るのではないか?という不安を根源に抱えていることが見えてくる。そのそこはかとない不安が彼女をスピリチュアルな方向に向けていく。占いを信じるというシーンが何度も登場するのだが、常に心の中の不安に動かされ心が揺れ動く。娘は一緒に暮らしながらそれを空気として感じている。しかしながら娘が本当に思っていることはなかなか言葉にはされない。個人的に印象的なシーンがあった。娘が何をやりたいのか?ちゃんと言って!と母親が問いかけるシーンがあるのだが、その時に「まるきゅうに行きたい」(渋谷の109のこと)という場面。娘の純粋さとそれを言うことにどれだけ勇気がいったのか?みたいなことを想像する。そして私の姪っ子が今、高校3年なのだが、まさにその姪っ子みたいだな!と思って見ていた。発声などが本当に今どきの若者。仲自身が24歳であるということもあり、そのままで演じているのか?福名さんと綿密な役作りが行われていたのか?はわからない。しかし、あのシーンは本当にいろんなことを包含したものに私は思えた。全編、広島弁で行われ地元のスーパー「フジ」などの名前や地名も登場する。私は広島のことはそんなに知らないが、その地元のリアルな固有名詞が出てくることもとてもリアリティがある。そして、この親子に絡んでくる母親の弟とその妻。優しい弟は姉の激しい性格とかを知っていて、それとは真逆の性格という設定がまた興味深いものにしている。そして母親が働いているスーパーの精肉売り場のバイトの男の子(松尾潤)がまた今どきでいい!今泉力哉監督の映画を見ているような。こうした会話の感じが本当に今どき。若いバイト君と娘の会話などがドラマ「ひらやすみ」にも似た感じでゆるやかでナチュラル。それと対比するかのような母親の不安な芝居が対比的に描かれる。福名さんはそれぞれの正義がということを書かれていたが、それぞれがそれぞれとして懸命に生きていることをこうした語り口で伝えるということに感心・感動する。そして、最後、収束に向けて、いろんな課題を回収していき晴れやかな気分で終わらせたのは福名さんの祈りにも似た思いなのか?いろんな国が自分たちの正義をかざして戦争をする、身近なところでは自分たちの信念や正義をかざして言い争ったりする日常が現実でもある。では、そこで私たちはそのことについてどう考えるの?と福名さんに私たちは突きつけられているのだろうか?そうして、考え続けるきっかけをくれることはまさに芸術や演劇の面白いところです。上演時間2時間5分。6月7日まで。 ![]() #
by haruharuyama
| 2026-06-03 09:45
| 舞台
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「東京物語」チームラヴガン(@THEATRE E9 KYOTO)作:竹内銃一郎、演出:佃典彦、出演:憲俊、八代将弥 私の高校の同窓生が卒業後に所属するOB会みたいな組織がある。久敬会という名称で、初めてその幹事会というのに出席した。卒業時にクラスで2名ずつ永久幹事みたいなものを選出するのだが、その場の流れで私はその役をやることになった。たぶん卒業文集を作りませんか?と受験が迫っているのに、そんな呑気なことを言うやつがいて、実際に印刷して文集を作った。そんなことをしていたからなのではないか?と推測する。本公演とはまったく関係ないのだが、その会議が茨木市だったので、そのままJRで茨木駅から京都へ向かう。意外と会議が長くなって3時間弱?結局、待ち時間もなく劇場に到着した。京都の東九条。外国人観光客用のゲストハウスや民泊、またホテルなどもたくさんあり、この日は劇場の近くを先生に先導された学生さん(たぶん、高校生)たちがぞろぞろと歩いていた。 演出の佃典彦さんの名前は存じ上げていた。過去のブログを調べていたら数本のレビューが出て来た。どれも佃さんがお書きになった戯曲を別の方が演出したものばかり。 佃さんは現在62歳で私は64歳なのでほぼ同世代。なので、竹内銃一郎に興味を持ってその公演をやってみたいというのはなんとなくわかる。1980年代にその名が知られて、佐野史郎とJIS企画などを主宰されていた。しかしながら、竹内戯曲はやや難解で複雑でもある。私は実は「あの、大鴉さへも」くらいしか見ていない。1981年の岸田戯曲賞の受賞作である。その時のレビューは以下 https://haruharuy.exblog.jp/26387481/ 演出(本公演では刑務官役で出演もされている)の佃さんは竹内銃一郎の大ファン!でもあるらしい!5月24日の14時からの京都公演には竹内銃一郎さん本人がアフタートークにいらっしゃるらしい。そして、この「東京物語」を選んで上演されることとなった。1951年公開の小津安二郎の代表作でもある「東京物語」。私が最初にこれを観たのは1980年代後半に銀座の並木座で小津作品の2本立てを何度か見るようになり、その時が初めてだったように記憶している。笠智衆の独特な喋り方が印象に残り、戦後すぐの昭和の喋り言葉が特徴的で面白いと感じた。特に東京に住む、原節子や杉村春子のセリフの発し方が印象的。この舞台が最初に上演されたのが1987年だとアフタートークで伺った。私が見た公演のアフタートークのゲストがピンク地底人3号さんというのも個人的にはとても興味深いものだった。この方が!と初めてピンク地底人3号さんを拝見させていただいた。決してピンクなどではなく、どちらかと言うと、この日はデニムな印象の方だった。(笑) アフタートークで竹内さんが映画「東京物語」というのがとても好きであるということを伺った。当時の演劇界の人(1980年代)のほとんどの方はこれを観ていただろうとも。私もこの舞台が上演される少し前の1985年から87年あたり小津映画をたくさん見るようになった時期と重なっている。そして、当時は小津映画が名画座などで何度も上映されていたのも事実。この舞台は刑務所の牢獄の2人部屋で脱獄を考えているブレーキとゲイの囚人(戯曲ではオカマと記されている。当時の表現)オリーブが就寝前にいろんな映画の話をするというもの。そして、脱獄を考えていることを察知したオリーブはブレーキに向かって「東京物語」の映画の詳細を語り始める。アフタートークで知ったのだが、この設定は「蜘蛛女のキス」という作品があるのだが、それとほぼ似たような設定らしい。それからインスパイアされて書かれたものなのか?などは本日のアフタートークで明らかになるのではないか?そういえば映画「蜘蛛女のキス」は当時、話題になっていたなあ!ということを思い出す。調べると今は配信などで見る方法がないみたい。しかも、TSUTAYAディスカスも調べたら在庫がない!映画同様に、オリーブはブレーキのことが大好きであり、ずーっと、一緒にいたいと思っている。その感じが本公演でもとても良く描かれている。TVドラマで内野聖陽と西島秀俊が出演していた「きのう何食べた?」を思い出す。 https://www.tv-tokyo.co.jp/kinounanitabeta/ あのドラマは脚本の安達奈緒子の良さがものすごく出ているのでは?そして、あのドラマは二人の淡々とした日常を描いているのだが、その淡々と日常を描き出す中から人生の機微や過去のつらい出来事を含めて想起させ描き出すというような意味では「東京物語」のストーリーを援用しているというアイデアが秀逸。対極なシチュエーションを同時並行で描き出す。牢獄と東京物語。その裏には犯罪や同性愛、そして、東京物語の裏にある戦争で失われた人たち、老いを迎え受け容れることの難しさ、東京での表層的な人間関係などが対比されてくる。 衝撃的なのは舞台でのラストのシーン。逃げおおせた二人がアパートにいる。そこからあるミッションを果たすためにブレーキは外に出ようとする、このまま一緒にいたいオリーブ。そしてある事件が起きる。衝撃的だった。一方的なのかも知れないがオリーブの無償の愛情がどうなっていくのか?無垢で純粋な愛情だからこその顛末。 途中でブレーキが「インターナショナル」の歌を歌うシーンがある。安保闘争とその後の学生運動の残り香があった1980年代。あの時代の闘争とはなんだったのか?闘争のたために逃走した二人と対比的に描かれる東京物語。独特な後味を残してくれる。 上演時間90分。京都は5月24日まで。5月29日~31日に横浜の若葉町ウォーフでの公演がある。 ![]() ![]() #
by haruharuyama
| 2026-05-24 10:14
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「東京物語」チームラヴガン(@THEATRE E9 KYOTO)作:竹内銃一郎、演出:佃典彦、出演:憲俊、八代将弥 私の高校の同窓生が卒業後に所属するOB会みたいな組織がある。久敬会という名称で、初めてその幹事会というのに出席した。卒業時にクラスで2名ずつ永久幹事みたいなものを選出するのだが、その場の流れで私はその役をやることになった。たぶん卒業文集を作りませんか?と受験が迫っているのに、そんな呑気なことを言うやつがいて、実際に印刷して文集を作った。そんなことをしていたからなのではないか?と推測する。本公演とはまったく関係ないのだが、その会議が茨木市だったので、そのままJRで茨木駅から京都へ向かう。意外と会議が長くなって3時間弱?結局、待ち時間もなく劇場に到着した。京都の東九条。外国人観光客用のゲストハウスや民泊、またホテルなどもたくさんあり、この日は劇場の近くを先生に先導された学生さん(たぶん、高校生)たちがぞろぞろと歩いていた。 演出の佃典彦さんの名前は存じ上げていた。過去のブログを調べていたら数本のレビューが出て来た。どれも佃さんがお書きになった戯曲を別の方が演出したものばかり。 佃さんは現在62歳で私は64歳なのでほぼ同世代。なので、竹内銃一郎に興味を持ってその公演をやってみたいというのはなんとなくわかる。1980年代にその名が知られて、佐野史郎とJIS企画などを主宰されていた。しかしながら、竹内戯曲はやや難解で複雑でもある。私は実は「あの、大鴉さへも」くらいしか見ていない。1981年の岸田戯曲賞の受賞作である。その時のレビューは以下 https://haruharuy.exblog.jp/26387481/ 演出(本公演では刑務官役で出演もされている)の佃さんは竹内銃一郎の大ファン!でもあるらしい!5月24日の14時からの京都公演には竹内銃一郎さん本人がアフタートークにいらっしゃるらしい。そして、この「東京物語」を選んで上演されることとなった。1951年公開の小津安二郎の代表作でもある「東京物語」。私が最初にこれを観たのは1980年代後半に銀座の並木座で小津作品の2本立てを何度か見るようになり、その時が初めてだったように記憶している。笠智衆の独特な喋り方が印象に残り、戦後すぐの昭和の喋り言葉が特徴的で面白いと感じた。特に東京に住む、原節子や杉村春子のセリフの発し方が印象的。この舞台が最初に上演されたのが1987年だとアフタートークで伺った。私が見た公演のアフタートークのゲストがピンク地底人3号さんというのも個人的にはとても興味深いものだった。この方が!と初めてピンク地底人3号さんを拝見させていただいた。決してピンクなどではなく、どちらかと言うと、この日はデニムな印象の方だった。(笑) アフタートークで竹内さんが映画「東京物語」というのがとても好きであるということを伺った。当時の演劇界の人(1980年代)のほとんどの方はこれを観ていただろうとも。私もこの舞台が上演される少し前の1985年から87年あたり小津映画をたくさん見るようになった時期と重なっている。そして、当時は小津映画が名画座などで何度も上映されていたのも事実。この舞台は刑務所の牢獄の2人部屋で脱獄を考えているブレーキとゲイの囚人(戯曲ではオカマと記されている。当時の表現)オリーブが就寝前にいろんな映画の話をするというもの。そして、脱獄を考えていることを察知したオリーブはブレーキに向かって「東京物語」の映画の詳細を語り始める。アフタートークで知ったのだが、この設定は「蜘蛛女のキス」という作品があるのだが、それとほぼ似たような設定らしい。それからインスパイアされて書かれたものなのか?などは本日のアフタートークで明らかになるのではないか?そういえば映画「蜘蛛女のキス」は当時、話題になっていたなあ!ということを思い出す。調べると今は配信などで見る方法がないみたい。しかも、TSUTAYAディスカスも調べたら在庫がない!映画同様に、オリーブはブレーキのことが大好きであり、ずーっと、一緒にいたいと思っている。その感じが本公演でもとても良く描かれている。TVドラマで内野聖陽と西島秀俊が出演していた「きのう何食べた?」を思い出す。 https://www.tv-tokyo.co.jp/kinounanitabeta/ あのドラマは脚本の安達奈緒子の良さがものすごく出ているのでは?そして、あのドラマは二人の淡々とした日常を描いているのだが、その淡々と日常を描き出す中から人生の機微や過去のつらい出来事を含めて想起させ描き出すというような意味では「東京物語」のストーリーを援用しているというアイデアが秀逸。対極なシチュエーションを同時並行で描き出す。牢獄と東京物語。その裏には犯罪や同性愛、そして、東京物語の裏にある戦争で失われた人たち、老いを迎え受け容れることの難しさ、東京での表層的な人間関係などが対比されてくる。 衝撃的なのは舞台でのラストのシーン。逃げおおせた二人がアパートにいる。そこからあるミッションを果たすためにブレーキは外に出ようとする、このまま一緒にいたいオリーブ。そしてある事件が起きる。衝撃的だった。一方的なのかも知れないがオリーブの無償の愛情がどうなっていくのか?無垢で純粋な愛情だからこその顛末。 途中でブレーキが「インターナショナル」の歌を歌うシーンがある。安保闘争とその後の学生運動の残り香があった1980年代。あの時代の闘争とはなんだったのか?闘争のたために逃走した二人と対比的に描かれる東京物語。独特な後味を残してくれる。 上演時間90分。京都は5月24日まで。5月29日~31日に横浜の若葉町ウォーフでの公演がある。 ![]() ![]() #
by haruharuyama
| 2026-05-24 10:14
| 舞台
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